MonoMax本誌にて好評連載中の「小沢コージの遊べるクルマ」では、自動車ジャーナリスト小沢コージさんが、ただの移動手段として使うだけではもったいない、遊びたくなる魅力を秘めたおすすめの1台を紹介しています。
今回は「500万円オーバーの駿足ハッチバックだが性能を考えると安い!」と小沢さんが言い切ったトヨタ GRカローラを取り上げます。
小沢コージ
愛情あふれる独自の視点でクルマを語るバラエティ自動車ジャーナリスト。雑誌を中心にWebなどにも多数寄稿。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。
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大衆車のカタチをしたレーシングカーが誕生!
久々に日本車ならではの安い! 速い! 旨い! のすごすぎる大衆ハッチバックに出会っちゃったぜ。それはGRカローラ。当初は5人乗りのRZグレードとリアシートを外したより尖ったモリゾウエディションが台数限定で登場し、どちらも完売済みだが今後RZはパーツが揃い次第生産再開の予定。
まずは後者のモリゾウエディションに乗ったが、とにかく作り込みがハンパじゃない。走り始めて5mで別物ともいえるハイパワーエンジンのトルク感、骨格から作り直されたボディのソリッド感が伝わってくる出来映えだ。
骨格は一般向け5ドアハッチバックのカローラスポーツ。だがトヨタのモータースポーツ活動であり、そのノウハウで市販レーシングカーを作るGRカンパニーが本気で作り直しているから、その実態は「カローラのカタチをした最大で5人乗れるレーシングカー」だ。
まず見た目から大違い。ライトまわりやフォルムこそカローラスポーツを思わせるが、ワイルドなブラック塗装はもちろん、GR専用グリルやなにより左右合わせて6cmワイドの左右フェンダーはまさしく別物。だがカッコだけじゃなく、タイヤはGRカローラ専用の極太ワイドなハイグリップタイヤを履いている。
加えてボディはカーボンプラスチック製ルーフにアルミ製のドアやボンネットを備え、大元の骨格はカローラスポーツ比で349カ所のスポット溶接増し打ち。剛性感はマジでリアルレーシングカー。
エンジンは弟分のスポーツハッチ、GRヤリスと同じ専用開発の1.6L直3ターボを搭載。パーツ精度は一般車とは違い、ほとんど手組みされてピークパワー&トルクは224kw & 370Nmでモリゾウエディションは400Nm! 4輪システムにもGRヤリス譲りの「GR ーFOUR」を使っており、これが任意でリア寄りの設定ができて楽しい。
気になる価格だがRZが525万円、モリゾウエディションが715万円と正直高い。だが前者ですら自分で改造すれば700万円を超えるはず。中身を考えたら絶対に安いのだ!
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