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【セイコータイムラボに潜入取材】グランドセイコーのアフターサービスが想像以上にすごい!

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時計好きグランドセイコー好きの人はご存じかもしれませんが、10月1日から新しいアフターサービスプログラムが導入されて、保証期間が3年から5 年に延長されました。

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グランドセイコーを狙っている人にとっては嬉しいニュースですよね。

かくいう私、MonoMax編集部員の中本もグランドセイコーをいつかは!と思っているもののひとり。

とはいえ1本に絞れず新作が出るたびに心惹かれて購入できずにいます。

そんな私ですが、今回はオーナーになった気分でアフターサービスの現場ってどんなところ?と思い、取材を申し込んだところ、なんと快く対応していただきました。

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取材にご対応いただいたのは、グランドセイコーをはじめセイコーウオッチのアフターサービスを担うセイコータイムラボ株式会社の取締役 鈴木穣二さん。

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まずご紹介いただいたのが与圧されたクリーンルームで熟練技能師が時計のメンテナンスを行うエリアです。

職人が手作業で分解、洗浄された細かなパーツの組み立てを行いますが注目すべきは各机に高倍率の双眼顕微鏡とモニターが設置されているところ。

「ベテラン技能士のメンテナンス技術を全作業員が同時に見ることができ、また新製品のメンテナンスポイントなども逐次共有できるのです。大阪にもサービス拠点がありますが、そことも画面共有できるんですよ」とのこと。

メンテナンス技術は共有され、常にアップデートされているんです!

ちなみにメカ時計の精度を決定づけるひげぜんまいの精度は0.01㎜単位で調整するそう。

そんな細かな精度が要求されるだけに、使用する工具は市販品を自分好みにカスタマイズしているんだとか。

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扉の向こうが先に紹介したクリーンルームです。作業室に入る前にエアシャワーで細かい粉塵を落とします。

この先で熟練の時計技能師が1本1本必要なメンテナンスを見極めて最適なサービスを行っているんです。

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続いてご紹介いただいたのは「年差書込装置」です。

クオーツ時計の水晶振動子は使用年数が経つとわずかに精度がずれることがありますが、この装置では低温、常温、高温時における精度を測定して補正データをIC回路に上書きすることで出荷時と同等レベルに復元してくれるのです。

この復元サービスができるのはメーカーならでは。

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5気圧防水以上の時計については、ムーブメントのメンテナンスが終わって組み立てられた後に防水試験が行われます。

「空気漏れがないか確認したのち、実際に水圧をかけてJIS規格に準じた防水試験を実施しています」と鈴木さん。

ダイバーズウォッチについては最大水深1000ⅿの潜水活動を想定した水圧(約125気圧)まで加圧できる装置が用意されていました!

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上の写真は、時計を約60℃に温めてガラスの上に常温の水滴を垂らして内面に結露ができていないかチェックしているところ。1本ずつ慎重に検査されていました。

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続いてはケースやブレスレットの復元を行っているエリアです。

「以前は細かな擦り傷の復元のみ対応していましたが、打痕など大きな傷がついた外装の修復もサービスメニューに加わりました。オンラインで先行してサービスを提供したところ、多くのお客様からその仕上がりに満足いただいています」とのこと。

長年愛用していれば外装の傷は避けて通れませんが、多くの傷は研磨もしくはステンレスなどの線材をレーザーで溶接して購入当時に近い状態に復元してくれます。

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右の写真はパルスレーザーで深いキズにステンレスの線材を溶接しているところ。

溶接しただけではまだ凸凹がありますがこれを研磨して元の状態へ戻していきます。

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双眼顕微鏡を用いて、購入当時に近い状態まで美しく復元していきます。

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ヘアラインや鏡面など面ごとに異なる仕上げや、ステンレスやチタンなど素材ごとに研磨の方法は異なります。

ケースのキズが気になった人はぜひ問い合わせてみてください。

キズついたケースが輝きを取り戻す工程を段階を追って見ることができましたが、はっきり言って感動もの!

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そしてすべての作業を終えた時計が向かうのが検査室です。

鈴木さんによると「通常のオフィスより照度を高くした検査室内で、全修理品に対して拡大鏡を使い、検査員の目視による最終チェックを行っています」とのことでした。

外観や機能など製造出荷時と同じ、なんと50以上の検査を実施して修理完了報告書が作成されます。

この最終チェックを通過してようやくユーザーの元へと送り届けられるのです。

メカ、クオーツ、スプリングドライブをラインナップするグランドセイコーだけに、メンテナンス器具は多岐にわたっていましたが、職人にしかできない領域のメンテナンスと、機械でしかできないメンテナンスがベストミックスされ「お買い上げいただいた時と同等の品質にまで戻す」という理念に基づいたサービスが行われていました。

費用や期間は修理内容やモデルによって異なるので、サービスを希望される方は以下のURLをチェックしてみてください!

あなたのグランドセイコーに最適なアフターサービスが用意されていることと思いますよ。

グランドセイコー公式Webサイト

www.grand-seiko.com

コンプリートサービス・修理ページ

www.grand-seiko.com/jp-ja/support/complete

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