レースの世界では軽量化は絶対的な正義であり、そのためにさまざまなカスタムが施される。そのカスタムの手法としてボバーというスタイルがある。
名称の由来は諸説あるのだが、フェンダーなどを短く切り落としたカスタムをボバーと呼ぶ。「bob=短く切り落とす」という説や、メジャーリーグの試合で配られる大谷翔平選手の首振り人形で日本でも一躍有名になったボビング・ヘッド・ドールのように、短く切り落としたフェンダーが走行中に「bobbing=揺れる」ことなどが有力説であるが1930年代ころから使われ出したカスタムスタイル、ボバーがいま大人気だ。
そしてイタリアの名門、モト・グッツィ からもダイナミックさとエレガントを持ち合わせたボバースタイルのカスタムバイク、「V9 BOBBER SPECIAL EDITION(ブイ9 ボバー スペシャルエディション)」が新登場したのだ。
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850cc V ツインエンジンを搭載した特別仕様車
「V9 BOBBER SPECIAL EDITION」はモト・グッツィの伝統なV型エンジンを搭載したミドルクラスのスポーツモデルがベースとなっている。ちなみにハーレーダビッドソンや国産バイクなど多くのV型エンジンは横から見たときにシリンダーがV型に配列されているのだが、モト・グッツィの場合は正面から見たときにシリンダーがV型に配列してある縦置きVツインエンジンなのだ。
一見幅を取りそうなシリンダーの並びではあるが、空冷エンジンの場合は走行中こそ高回転になるのでより多くの空気にさらされるこの配列は理にかなったスタイルなのだ。そして「V9 BOBBER SPECIAL EDITION」には4ストローク空冷90°V型2気筒OHV2バルブが搭載される。
カスタムビルドの装備が際立つボバー
モト・グッツィの特別仕様車となる「V9 BOBBER SPECIAL EDITION」の特徴を色濃く出しているのが、スラッシュカットのメガフォンマフラーだ。モト・グッツィ的にはスラッシュカットエキゾーストサイレンサーと呼んでいるが、その裾広がりなマフラーエンドが斜めに短く切り落とされ、ボバーらしさを演出。
さらにハンドルバー両端のバーエンドミラー、フォークブーツ、ショートフロントマッドガードがカスタムビルドの方向性を示している。縦置き90°Vツインエンジンにはフライス加工を施したマットブラックのアルミ製シリンダーヘッドカバーを装着し、渋さがマシマシとなっている。
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この記事を書いた人
パーツデザイナー坂東 漠
スタンドがないと倒れる。ライダーの支えがないと自立できない。ライダーがいてもときにコケるといった2輪車の特性に魅了され、自転車、e-Bike、モーターサイクルの部品を開発。多くの人は気づかないが、それがないと成り立たないといったパーツを手がけている。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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