さらに効率が上がったパワートレーン
今回、導入される新型GLCのラインナップは「GLC 220d 4MATIC」のワングレード。エンジンは新開発の2L直4ディーゼルターボで、新型クランクシャフトの採用でストロークを94.3mmに変更して排気量を1992ccにアップ、燃料噴射圧を2,700バールに上げている。エンジン単体のスペックは最高出力145kW(197PS)/最大トルク440Nmとなる。
パワートレーンはこのエンジンにISGマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、トランスミッションは変速比幅の広い9速ATを採用。エンジンとトランスミッションの間に配置されるISGマイルドハイブリッドシステムは、短時間で最高17kW(23PS)/200Nmのブーストが可能で、WLTCモード燃費は18.1km/Lと優秀だ。
サスペンションはCクラスで定評の前4リンク、後マルチリンク。標準はアジリティコントロール仕様で、オプションでエアマティックも用意される。
駆動方式はもちろんフルタイム4WDで、スイッチ操作ひとつでエンジンやトランスミッションの特性を切り替える「ダイナミックセレクト」の中に、雪道や悪路での走破性を高める「オフロード」モードが加わったのも注目ポイント。
この「オフロード」モードでは、360度カメラシステムを使った「トランスペアレントボンネット」機能を使うこともできる。これはメディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出してくれるもので、大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く確認することができる。
また、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」もオプションで設定されている。約60km/h以下ではリアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾け、約60km/hを超えるとリアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大4.5度操舵するもので、小回り性能を犠牲にせずに中高速域での安定性や優れたハンドリングを実現する。
Sクラスを上回る充実した安全運転支援システム
安全運転支援システムも新型GLCの大きな「売り」のひとつ。Sクラスに搭載される最新のものが装備されるほか、「アクティブステアリングアシスト」をはじめとする、「アクティブエマージェンシーストップアシスト」、「アクティブブレーキアシスト」、「緊急回避補助システム」、「アクティブレーンキーピングアシスト」、「アクティブブラインドスポットアシスト」といった新しい機能が追加されている。
ヘッドライトも、デジタルライト(ウルトラハイビーム付き)の採用で安全に寄与する。片側で130万個の光を照射することで、ハイビームの調光精度を従来よりも格段にアップし、強力な照明を効果的に使えるようになった。
機能面のオプションでは、日本で販売されるSUVで初となるAR(拡張現実)ナビゲーションも注目アイテム。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路が表示されるが、このシステムでは車両の前面に広がる現実の景色を映し出し、その上に方向指示を重ねる。これにより直感的にどの道路に進むべきかの判断をアシストしてくれる。
デザイン、上質さ、パフォーマンス、安全性能など、全方面で大きく進化した新型GLC。まず2L直4ディーゼルターボ+ISGのマイルドハイブリッド「GLC 220d 4MATIC」の1グレードのみで登場、車両価格は8,200,000円となっている。
「メルセデス・ベンツ GLC220d 4MATIC」スペック
全長×全幅×全高 4,720×1,890×1,640mm
ホイールベース 2,890mm
車両重量 1,930kg
エンジン 直列4気筒ディーゼルターボ縦置
総排気量 1,992cc
最高出力 145kW(197PS)/3,600rpm
最大トルク 440Nm(44.9kgf・m)/1,800〜2,800rpm
トランスミッション 9速AT
駆動方式 4WD
メーカー希望小売価格 ¥8,200,000(税込)
文/近藤暁史 写真/メルセデス・ベンツ日本
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ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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