R35型の集大成としてパフォーマンスを追求
2024年モデルの変更点はそれだけではない。日産自動車のアシュワニ・グプタCOOが「最先端の技術と匠の技を掛け合わせ、新たなデザインをまとった2024年モデルは、R35型の集大成」と語るように、速さだけではなく、洗練された乗り味も追求し、トータルバランスを高次元まで求めたものに一新されている。
まず驚かされるのがスタリングにまで手が加えられたこと。エアロダイナミクスを追求して、前後のバンパーやリアウイングの形状を大胆に変更、タイヤの接地性を高め、洗練された乗り味が実現されている。
従来モデルと同様、スタンダードタイプと高性能仕様の「NISMO」がラインナップされるが、スタンダードタイプには「Tスペック」の名を冠した特別仕様車も設定。「プレミアムエディション Tスペック」では、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキなどを採用している。
一方レーシングテクノロジーが最大限に注ぎ込まれた「NISMO」は、空力性能の磨き込みとサスペンションのチューニングを行い、フロントメカニカルLSD追加にあわせて4WD制御を最適化。フロントとリアのトルク配分を緻密に制御することでコーナリング性能も向上させるなど、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮する。また、「専用RECARO製カーボンバックバケットシート」を刷新し、車両との一体感、快適性の向上も図っている。
さらに「 NISMO スペシャルエディション」では、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用し、クリア塗装を施したNISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)などを特別装備する。
ラインナップは特別仕様をふくめると実に8グレード
パワートレーンはいずれもエンジンは3.8L V6 DOHCツインターボ、トランスミッションは6速DCT、駆動方式はフルタイム4WDと、スペックも含めて従来型と変わらないが、生産終了の危機から、これほど進化して復活するとは驚き以外のなにものでもないだろう。
ラインナップは通常モデルに加えて、特別仕様「Tスペック」、高性能仕様の「NISMO」まで実に8グレードを数えるのも凄い。たしかに規制に対応する変更もあって車両価格は上昇、史上最強仕様と言われる「NISMO スペシャルエディション」は2915万円ともはや3000万円級となるが、それ以上の価値のあると早くも市場の評価は高い。
予約注文は日産ハイパフォーマンスセンターで順次開始、発売は4月下旬(トラックエディション エンジニアード by NISMO、トラックエディション エンジニアード by NISMO Tスペック、NISMO、NISMO スペシャルエディション今夏)を予定している。生産台数は限られたものになるのは明らかで、早くも人気が高まっているようだ。
NISSAN GT-R ラインナップ
ピュアエディション ¥13,750,000
ブラックエディション¥15,350,500
プレミアムエディション¥14,840,100
プレミアムエディション Tスペック ¥18,960,700
トラックエディション エンジニアード by NISMO ¥17,650,600
トラックエディション エンジニアード by NISMO Tスペック ¥21,380,700
NISMO ¥28,650,600
NISMO スペシャルエディション ¥29,150,000
「NISSAN GT-R ピュアエディション」スペック
全長×全幅×全高 4,710×1,895×1,370mm
ホイールベース 2,780mm
車両重量 1,760kg
エンジン V6ツインターボ
総排気量 3,799cc
最高出力 419kW(570PS)/6,800rpm
最大トルク 673Nm(65.0kgf・m)/3,300〜5,800rpm
トランスミッション 6速DCT
駆動方式 4WD
メーカー希望小売価格 ¥ 13,750,000(税込)
文/近藤暁史 写真/日産自動車
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ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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