扱いやすく、スタイルも走りも音も楽しめる一台
シート高はこのクラスでは標準的な設定(777mm)となっていて、実際に跨ると(身長172cm)両かかとはしっかりと地面に着き、足元に余裕があって安心感もある。シート幅はやや広めになっていて脚が自然と広がるかたちになるが、シート自体が薄めなので足つき性には大きく影響はしない。平均的な身長の男性であれば足つき性を問題にすることはなく、女性や小柄な男性でも安心して乗ることが可能となっている。
ライディングポジションは少し低めのハンドル設定とフットステップがやや後ろ気味の位置となっているので、気持ちスポーティなポジションとなるが、キツさを感じるまでではなく、スポーティな走りをしたい時にはむしろ有効。
全体的にスポーツ感漂う「X350」に搭載されるパワーユニットは、中速トルクを重視したチューニングが施された水冷直列2気筒の353ccエンジン。スタートはマイルドでスロットルを開けるほどに緩やかな加速をしていくので初心者でも安心して扱うことができる。そしてスロットルの吹け上がりが良く、開けると同時にエンジン音と排気音がワイルドな音色を奏でてライダーの気分も上げてくれる。
試乗会では街乗り、後日高速道路でのライドやワインディングでも試してみたが、街中ではゆっくりとした走りも楽しく、高速ではエンジンを回して走る楽しみを十分に味わえて高速巡行も余裕でこなしてくれる、そしてワインディングも軽快かつ安心感もある。
ただ1点、シートが薄めなのでロングライドの際にはお尻の痛みが気になるところ。確かに誰もが想像する“ハーレー・ダビッドソン”とはちょっとイメージは異なるが、気軽に乗れる新たなハーレー・ダビッドソンとして捉えれば、スタイルも走りも良く、バイクライフを十分に楽しむことができる一台となっている。
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この記事を書いた人
ライター安室淳一
クルマ、バイク、自転車専門誌の編集を経てフリーランスに。現在は乗り物とそれに関連するギアやファッション、遊び方等を中心に、雑誌、WEB、カタログ、広告等で編集・執筆活動中。
Instagram:@freerider1226
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