座って試した! 新生アーロンチェアが快適すぎる!
究極のワークチェアとして名高いハーマンミラーのアーロンチェア。誕生した1994年から23年のときを経て、「アーロンチェア リマスタード」として刷新されました。
このアーロンチェア、イスに座って作業する人なら誰もが憧れるプロダクトといっても過言ではないはず。トイレと食事以外、一日中イスに座っていることも多いライター界隈にも愛用者は多くいます。
取りも直さず、気になる座り心地を体験してきました。
「日本最大級の文具の祭典に行ってみた」“文具女子博2024”が過去最大規模で開催中!ライターが気になったアイテムをピックアップしてご紹介
張地のテンションが変わってサポート力がアップした!
アーロンチェアといえば、一般的なレザーでも織物でもなく、「ペリクル」と呼ぶメッシュの張地を使用。自然なテンションで身体を包み、接地部分に熱がこもる不快さを軽減させていました。
今作も引き続きメッシュ地を採用しているのですが、そのテンションを背中で4つ、座面で4つの計8ゾーンごとに変更。弾力が強くて身体をしっかり支えるゾーン、座骨や肩甲骨を包み込んで圧力を低減させるソフトなゾーンというふうに分けることで、座ったときの安定性や姿勢の矯正力を高めています。
実際に座ってみると、絶妙なテンション具合に驚きます。堅い背もたれだと、背骨の凹凸が当たって痛い思いをするたちなのですが、そんな不快感は皆無。一方で柔らかすぎず、背中からそっと押し上げてくれる感覚があります。
座面の先端部分が「硬い」ゾーンになっているので、推奨される姿勢ではありませんが、背もたれを使わず手前にちょこんと座るスタイルもやりやすくなっています。
メッシュタイプの難点は、柔らかすぎると重心が背中側に沈み込むこと。キーボードを打とうと前傾姿勢を取る際、腹筋に力を入れなくてはいけません。前作のアーロンチェアは、背骨を支えるパーツや快適なリクライング機構があってそのようなことはなかったのですが、個人的には「もう少しハリがあってもいいかな」と思っていました。それに、ゾーンの区分が見た目にまったくわからないのも、デザイン的にスマートですね。
8つのゾーンを設けた新生ペリクル、かなり理想的です。
まるで手のひら!? 背骨の自然なカーブを実現する!
理想的な姿勢をサポートするランバーサポートというグッズがありますが、あれは背もたれと腰に生まれる隙間をなくし、背骨を自然なS字カーブにすることで疲労軽減を測るものです。アーロンチェアでは、発売当時からオプションで存在したランバーサポートが、2002年から「ポスチャーフィット」と呼ぶパーツへと進化。背中のカーブと筋力のバランスの維持を高めてきました。そして新しく開発された「ポスチャーフィットSL」では、2つの小型パッドを使って的確に姿勢をサポートします。
従来モデルもサポート力は確かでしたが、腰全体を面で支えるような感触でした。それはそれで安定するのですが、異物感とはいかずとも、「ここにあるな」という感覚は強いものでした。ときには、一番下の肋骨あたりになんとなくの圧迫感があったり。今回、2つの手のひらのようなパッドになり、背骨をピンポイントで支えることで、そうした感覚はほとんど解消。角度調節が可能で、座る人に合わせ適切な姿勢に保持します。
なんどか背中を押し当ててみましたが、快適でした。骨盤の仙骨がクイッと前傾になり、背筋がピンとします。
1.8度の前傾でデスクワークがはかどる!
細かな変更点ですが、フレームの角度が1.8度ほど前傾されました。これは、直立ポジションや他の姿勢でも身体をよりよくサポートするため。
ワークチェアはしっかり背もたれや座面と接することで、適切な姿勢をサポートするもの。しかし前傾姿勢になりやすいパソコン作業中などは、姿勢が崩れてしまいがちです。今回の仕様変更で、そうした悩みも防げそうです。
実際に座ってみると、キリッと身が引き締まりつつ、ほどよくリラックスもできる印象でした。
このほかにも、チルトボックスの小型化やベース形状の変化、アームの可動域の拡張、リクライニング硬さ調節の全回転数を50回から14回に短縮、リクライニング範囲指定と前傾チルトのレバーを一本化、といった進化が起こりました。
身長や体重に合わせて3つのサイズを用意。現代的なオフィスデザインに即して、ミネラル・カーボン・グラファイトの3色も用意しています。
価格は¥173,000から。
従来モデルは「アーロンチェア クラシック」としてしばらく販売されますが、順次「アーロンチェア リマスタード」に置き換わる予定です。
これで、体力尽きるまでがんばれる……というのは本来の使い方ではないと思われますが、デスクワークのの頼れる味方になってくれることは間違いありません。
ハーマンミラージャパン
03-3201-1830
ライター/横山博之
この記事のタグ
モノマックスの記事をシェアする