【乗ってみた】今年一番売れているミニバン・新型フリードは、ヤングファミリーにとって使えるにもほどがある!
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「ちょうどいいホンダ!」といえば、フリードが08年にデビューした際のCMのキャッチコピーでした。なにがちょうどいいって、ベストセラーカーのフィットをベースとした扱いやすいボディサイズであり、手の届く使い勝手の良さなどで、発売後、一躍ヒットモデルとなりました。現行型は昨年登場し、使い勝手の良さを含むあらゆる面でパワーアップ。パワーユニットは1.5リッター直噴エンジンとハイブリッドシステムが設定され、駆動方式はFF(前輪駆動)と4WDから選ぶことができます。
そもそも、多人数乗車するためのミニバンなのにボディがコンパクトって、なんだか矛盾しているようですが、ここがこのクルマの一番の魅力でもあります。その魅力はユーザーにもしっかり伝わっているようで、発売から1年が経とうとしている今も売れまくっています。2017年上半期(1〜6月)の販売台数は約6万1000台で、ライバル車であるシエンタはもちろん、セレナやヴォクシーなんかもおさえて見事ミニバンでナンバーワンを獲得しました。
今回テストしたのは、ハイブリッドでFFの「Gホンダセンシング」というグレード。都心、郊外、一般道、高速とさまざまな道路を約500キロ以上走ってみましたが、気になる燃費はリッター18.8キロ! とかなりの優秀さを発揮してくれました。
まずスタイル。シルエットは先代型と同じような感じですが、個人的には先代型より洗練されたかなと思います。デザイン自体はこれといって特別感はなく、おとなしめです。ただ落ち着いた雰囲気で、変に可愛さの演出もないですし、大人の男性が乗ってもかっこいいデザインだと思います。すこし冒険したいという人は、ライトブルーやイエローなどのポップなボディカラーを選ぶといいのではないでしょうか。
インテリアは、フロントウインドウがかなり上方まで広がっているので、視界が広く、解放的な雰囲気になっているのが特徴です。正面のインパネも水平基調のデザインで圧迫感がありません。素材感にもこだわっていて、先代モデルより質感は確実に上がっています。人気のポイントである室内の使い勝手に関しても、まったく不満のない仕上がりです。
2列目シートは、二種類から選ぶことができて、6人乗りの場合はキャプテンシート、7人乗りの場合はベンチシート(写真)となっています。さすがと思うのはサンシェード(グレード別設定)の設定で、窓が広く大きいこともあって、2列目シートに子どもを乗せる人はかなり重宝します。さらに、ステップの高さ(低い!)やドア開口部の広さ(広い!)なども配慮されていて、小さな子どもが乗る際も乗りやすさが確保されています。
3列目シートは意外としっかりした造りで横幅も余裕があるので、短時間であれば大人が乗っても大丈夫。ミニバンといえば3列目シートの収納方法が重要ですが、ただ背もたれを前に倒してシート全体を横に跳ね上げるだけ。それほど力もいりませんし、慣れれば10秒もかからずに収納できるでしょう。さらに、床が低く設計されているので、3列目シートを畳んだ後の荷室には、標準サイズのベビーカーを畳まずにそのまま積み込むことができます。
ハイブリッドということでエンジンとモーターを使って走るわけですが、街中では軽快で、それでいて不自由のない自然な加速を味わうことができます。高速道路でもこれといって力不足を感じたシーンはなし。また、今回の試乗車は運転支援システム「ホンダセンシング」搭載車だったので、高速ではACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)とLKAS(車線維持支援システム)が働き、長時間の運転でも快適でした。
つーわけで、ファミリーカーとしては弱点という弱点は見当たらないクルマですが、個人的にはバックミラーの一段上にある室内用ミラーがお気にいり。これがあれば、運転中であっても運転席から後席に座る子どもの様子を確認することができます。それと視界の良さもポイント。解放感があって家族みんなで楽しくドライブできる。ここがファミリカーとして一番いいところではないでしょうか。いやー、子育て時期にこんな便利なクルマを選べる日本人は幸せですなー。
TEXT/安藤修也(フォッケウルフ)
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