【乗ってみた】ベストセラーカー・ホンダ フィットが、発売後4年経った今でもベストな理由。
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かつて、街で走っているクルマを見まわせば、フィット、フィット、フィット……みんなフィットやんけ! なんて時がありました。いや、ホントに。ホンダ・フィットは、クルママニアならずともその名が知れ渡っている超人気車で、累計販売台数250万台オーバーという、日本で最も人気のあるコンパクトカーのひとつです。
それまでのコンパクトカーといえば、ボディの小ささゆえに室内スペースの広さや使い勝手といった面で我慢を強いられる部分がありました。しかし2001年にデビューした初代フィットは、「センタータンクレイアウト」と呼ばれる独自のボディ構造を採用していました。これは、一般的には後席の下にあるガソリンタンクを前席の下へ移動したもので、結果的に室内スペースを拡大したうえにシートアレンジにも自由度を与え、コンパクトカー界に革命をもたらしました。
このフィット最大の長所はそのままに、2013年に進化して登場したのが現行モデルです。もちろん室内スペースの広さはコンパクトカートップクラス! 後席の座面をはね上げれば、背の高い荷物(たとえばベビーカーなど)も立てたまま積むことができるし、後席が床下に畳み込める設計になっているため、床面が平らで広大な荷室空間を作り出すことも可能です。広くて快適、それでいて荷物もたくさん詰めるということで、仲間とキャンプやフェスなどに出かける際にもガッツリ使える万能性を備えています。
今年6月の改良では、安全運転支援システム「ホンダセンシング」が基本グレードに標準採用されました。安全運転支援システムといえば、現在自動車業界で最も注目されている装備で、話題の自動ブレーキや誤発進抑制機能、衝突回避支援機能などで構成されています。ホンダの同システムは、レーダーとカメラを備えていて、走行中に前車との距離を一定に保つ機能「アダプティブ・クルーズ・コントロール」に加え、自車が車線内の中央を走行するようステアリングをアシストする機能「LKAS(車線維持支援システム)」も採用されています。つまり、クルマ自体がドライバーをアシストしてくれて、高速道路を使った長距離走行を快適化してくれます。きっと「ロングドライブが苦手!」というパパもトリコになってしまうことでしょう。
今回の試乗車は「ハイブリッドS」グレードでしたが、アクセルを踏み込めばグイグイと力強い加速力が感じられるし、路面に吸い付くようにスムーズに走れるので運転も楽しめます。カーブでも、ボディがしっかりしているため、シャープに曲がることができます。もちろんハイブリッドカーなので燃費も良好。今回の実燃費は、都内の一般道(渋滞含む)と首都高を走ってリッター約16キロでした。サスペンションも改良点のひとつで、路面からの細かなショックを吸収するしなやかな乗り心地になりました。さらに、今回の改良で車内の静粛性も高められています。
デザイン面では、前後のバンパー形状が一新されました。外観は高級感がアップして、エレガントになった印象です。内装に関しても、上のクラスのクルマから乗り換えても遜色ない高い質感が感じられます。
デビューから4年を経てもいまだにその魅力を失わないどころか、さらに熟成された2017年型フィット。過剰な演出こそありませんが、実際に乗って使ってみれば、大きな満足感と安心感を得られるさまざまな機能面の向上がみられます。「ウチはこれ1台で十分!」。きっと誰もがそう思える、最新にして最強のフィットになっていました。
ホンダ・フィットの詳細はこちら。
TEXT/安藤修也(フォッケウルフ)
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