MonoMax(モノマックス) Web

モノマックス 人気記事ランキング

【MR-Gが最高級なワケ(1)】30万円もするG-SHOCKがあるって知ってた!?

「30万円G-SHOCK」の謎に迫る!

「30万円もするの!?」

「ボーナスで手に入れたい一生モノ」2024年のウォッチシーンを象徴する“珠玉の5本”は?時計ジャーナリストがトレンドワードとともに徹底解説

G-SHOCKのラインナップを見ていた某MonoMax編集部員からもれた、驚嘆の声。そう、G-SHOCKは実に幅広いモデルを展開しており、最上級クラスとなる「MR-G」に至っては30万円を越すものも。「ストリートに映えるファッションギア」という認識の強かった同部員にとって、G-SHOCKは2万円前後というイメージ。その10倍以上もする「MR-G」の存在は相当インパクトの強いものでした。

「どんなもんか、見てみようよ!」

MRG-G1000B-1A4JR

ということでさっそく借りてきたのが、こちらの「MRG-G1000B-1A4JR」です。そのお値段、¥300,000(税抜)。

じっくり検証する前に、「MR-G」についての知識を少々。

「MR-Gは、大人のためのG-SHOCKとして1996年より発売を開始。電波ソーラー化や2重の表面処理など性能や質感を向上して、『風格ある本物の高級腕時計』を目指して開発を進めてきたシリーズです。若い頃にG-SHOCKブームを体験した、だいたい40代以降の大人の男性がターゲットです。人目を意識した無難な時計でなく、自分の生き方・考え方を主張してアグレッシブに生きる人にふさわしい時計でありたいと思っています」

と、素晴らしい解説を寄せてくれたのは、「MRG-G1000B-1A4JR」のコンセプト設定や商品企画の責任者である、カシオ計算機 時計事業部 企画統轄部 商品企画部 第一企画室の石坂真吾さん。

「せっかくなら当事者からこだわった点を聞いちゃおう!」という、こちらの意向に応じてくれました。

 

開発担当者がこだわりのディテールを解説!

で、「MRG-G1000B-1A4JR」です。

MRG-G1000B-1A4JR

テーマとしたのは「赤備え」。武具を朱塗りに統一した戦国時代の部隊編成のことで、精鋭部隊を率いる武将が、自軍の武勇を誇示するのに用いられたといわれているもの。

赤を効かせたMRG-G1000B-1A4JR

これをべゼルの色埋め部や都市コード、文字盤の随所に配色しています。

「MR-Gは強さと美しさを兼ね備えるとともに、『先進のテクノロジー』と『匠の技・日本の伝統』という一見相反する要素を融合させ、新しい価値観を生み出すモデル。赤はG-SHOCKのイメージカラーであり、強さの象徴として赤をテーマカラーにしたモデルを作りたかったというところからスタートしました。戦国時代の『赤備え』も強さの象徴として相通じるものがあるため、今回の採用が決まったんです」

赤備えを表現したMRG-G1000B-1A4JR

ちなみに「赤備え」を表現するため、その時代背景や実際の色合いを学びに博物館や図書館へ足繁く通ったのだとか。

「元々『深紅』は、高価な紅花をたくさん使わないとできない高貴な色でした。当然のことながら紅花は時計の材料として使用できないので、人工的な材料で近いイメージを作っています。派手になり過ぎない『深みのある赤』を表現するのに苦労しましたね」

クラッドガード構造を採用したMRG-G1000B-1A4JR

クラッドガード構造を採用したMRG-G1000B-1A4JR

機能面として優れているのは、リューズが直接ぶつかっても大丈夫な「クラッドガード構造」を採用したこと。他のG-SHOCKには搭載されていない、特別な技術です。

「リューズへの衝撃は中のムーブメントに直接伝わってしまう、最も弱い部分でした。新開発したこの構造により、弱点をカバー。耐衝撃性を備えながら、操作性を損なわせないリューズ形状を実現できたんです。プッシュボタンも同様の考え方で作られています」

ケースやバンドの仕上げも美しいMRG-G1000B-1A4JR

ケースやバンドの仕上げも美しいMRG-G1000B-1A4JR

この他にもポイントとなるのが、ケースやバンドの美しい仕上げ。ステンレススチールより軽くさびにくいチタニウムを採用したうえで、耐傷性を高めるため「2重の表面処理(深層硬化処理とDLC)」を施し、美しさを最大限に引き出すザラツ研磨で仕上げています。

「パーツ一つ一つの面を職人が手作業で研磨しています。特にケースはG-SHOCKデザイン特有の凹凸があるため、一般的なメタルアナログ時計の数倍の面があり、美しく磨くのに数倍の時間がいるんです。そのため作れる数にも制約があり、どうしても希少なものになってしまいます」

いいお値段になるのは、それなりの理由があるのでした。

「この他にも、標準電波とGPS電波の両受信により時刻精度を保つテクノロジー面や、そのテクノロジーを時計という小さな場所に収める実装術技術、ケース構造の進化も価格に反映されやすい部分。山形の工場で金型制作から製造、組み立てまで一貫で行っている点もあって、そこでもいろいろなこだわりがあるのですが……」

なるほどなるほど……そう頷こうとした矢先、前出の編集部員から鶴の一声が。

「どうせなら、その山形の工場も取材させてください!」

 

 

 

 

MR-Gが製造されている山形カシオ

そして取材班は、MR-Gが製造されている山形カシオへ向かったのでした。

 

【MR-Gが最高級なワケ(2)】可憐なマイスターたちが集う山形カシオのPPLとは!?(3月2日公開)に続きます

 

G-SHOCK「MRG-G1000B-1A4JR」¥300,000(税抜)
●サイズH54.7×W49.8×D16.9cm●質量153g●耐衝撃構造●タフソーラー●20気圧防水機能●GPS電波受信機能●標準電波受信機能●針位置自動補正機能●ワールドタイム:世界27都市+UTCの時刻表示●ストップウォッチ●タイマー●時刻アラーム●バッテリー充電警告機能●パワーセービング機能●フルオートカレンダー●LEDライト

 

カシオ計算機 お客様相談室
03-5334-4869
http://g-shock.jp/

 

取材・文・撮影/横山博之 写真提供/カシオ計算機

この記事のタグ

モノマックスの記事をシェアする

関連記事