【予防医療大調査(1)】不調の原因はコレかも!? 遅発型フードアレルギー検査とは
病気になってからでは遅すぎる! 今、病気をできるだけ避ける『予防医療の時代』がやってきたといわれています。
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でも、実際にどのような診察を受けることができ、どのようなメリットが得られるのでしょうか? そこでMonoMax Web編集班は、最先端の予防医療に取り組む「三番町ごきげんクリニック」に突撃。澤登雅一院長の診察を受け、実際に体験してみました。
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「なんとなく具合が悪い」の症状、特定の食品が原因かも?
なんだか体が重い。お腹がゆるくなるときがある。でも、病院にいっても原因がわからない……。
それは、もしかしたら特定の食品が原因かもしれません。近年、新しい概念として理解が広まってきた、遅発型フードアレルギーがそれです。
「通常のアレルギーはIgE抗体が関与するもので、花粉症やアトピー性皮膚炎も同じカテゴリーに入るもの。食物アレルギーの場合、摂取して数分でじんましんや呼吸困難が起き、場合によってはアナフィラキシーショックによって命に関わることもあります。しかし『遅発型フードアレルギー』は、IgGという別の抗体が関与し、慢性的な炎症を引き起こすものを指します。IgG抗体は人の体の中で当たり前のように存在している抗体なので、『アレルギー』と呼ぶことに否定的な専門家もいますが、IgG抗体の反応が強く見られる場合、さまざまな不調や病態の原因になることが報告されています」
この遅発型フードアレルギーの場合、世間一般でいうアレルギーと異なるのは、①影響が出るまでが遅い、②症状が多彩、という2点。
まず①ですが、「遅発型」と名付けられたように、原因となる食品を口にしてから症状があらわれるまで、数時間から数日という時間がかかります。そのため、不調の原因がいつ摂った食事にあるのかが、わかりにくいのです。
②も、わかりにくさを助長させる要素。人によってさまざまですが、その症状は
- お腹がゆくなる
- 肌が荒れる
- 偏頭痛
- なんとなくだるい・元気が出ない
- 肩がこる
- イライラする
- 眠気が取れない
- 日中のひどい眠気
など、病気とまではいえない不定愁訴として片付けられてしまいがちなものも少なくありません。原因がわからないまま、遅発型のアレルギーを起こす食品を摂り続けてしまうことで、症状も慢性化。場合によっては、メンタルの問題とみなされてしまうことも……。
なんとなく調子が悪い原因が特定の食品にあるかもしれない可能性を、検査で調べることができます。
検査はほんの少量の採血でOK!
検査は、先生との問診からスタート。最初に遅発型フードアレルギーについて基本のキから説明してくれますので、予備知識がなくてもOKです。
なお、今回は遅発型フードアレルギー検査のために来院しましたが、特定の検査を目的にしなくても受診は可能です。身体の調子や症状について先生に相談したうえで、必要であれば栄養分析検査や遅発型フードアレルギー検査を受けることになります。ここが、病気になってから足を運ぶ従来の医療とは異なるところ。予防医療は、知識豊富な医師や看護師が健康のコーチとなり、"さらに健康になるために"という視点から、包括的なアドバイスや、点滴やサプリメントなどの最適な治療を提供してくれます(ただし、多くは健康保険適用外)。
問診では、身体の調子や日々の食生活、既往症の有無などについて確認します。今回検査を受けた取材班・A氏は、朝はコップ1杯の飲むヨーグルトとサプリメント、昼はしっかり摂り、夜は炭水化物を抜きつつ栄養バランスにも配慮。ただ不規則な生活が続くことから、眠気やだるさが慢性化しているのが気になっていました。
「健康のために毎日同じものを食べるなど、あまりに習慣化しすぎている食品は、反応が出る可能性がありますね。腸の環境、消化力、吸収力にも影響を受けます」
偏食タイプの人も、特定の食品に反応が出やすい傾向があるとのこと。また、遅発型フードアレルギーの反応が高い人は腸内環境も悪く、胃のむかつき感やもたれ感、胸やけ感、腹満、下痢、便秘などを伴うケースも多いといいます。
その後、5ccに満たない量を採血して終了。あとは検査結果を待つばかりです。
先生の予想が見事に的中! 食習慣の見直しを決意!
約1カ月後、再びクリニックへ。
先生の目の前には、結果を記したファイルが。今回の検査では全96種類の食品に対しての反応度合いがわかるのですが、そこには驚きの結果が……!
「0から6までの7段階表記ですが、乳製品が3と中程度を示しましたので、意識的にとらないよう心がける必要があるでしょう。あと、タケノコも4と強い反応を示しています。結果から言えば、問題があるのはこの2品目でした」
タケノコについては「なぜ?」という感じでしたが、物心がつく前から現在まで愛飲していた牛乳、そして毎朝飲んでいるヨーグルトが不調をもたらす一因と知り、愕然とするA氏。乳製品は摂ったとしても週に1回程度に、タケノコは最低1年は避けるようにという指導もいただきました。反応させてしまうことが問題なので、1回に摂取する量の多い少ないは関係ないそうです。
「栄養価の高い食品に反応が出た場合、ただその食品を抜いて終わりではありません。それによって栄養が不足し、別の病を生じさせてしまえば本末転倒です。遅発型フードアレルギーを考える際に大切なのは、栄養バランスも考慮すること。結果を踏まえ、食事内容をきっちり見直す必要があるのです」
専属の医療スタッフからも具体的なアドバイスをいただきました。
タンパク質は飲むヨーグルトの代わりに豆乳で代用。今回のケースでは整腸作用への期待からヨーグルトを食べるのは逆効果なので、ビフィズス菌や乳酸菌だけを摂取できるサプリメントを摂ること。腸の炎症を抑えるオメガ3系の脂肪酸を含んだオイルやビタミンDを含む食品も摂取すること。
その後A氏は、アドバイス通りの生活を実施。もとが「なんとなくの不調」でしたので、目に見える改善はないものの「なんとなく調子がいいかも」とのこと。原材料表示に「乳製品」と書かれていないか買い物のたびにチェックしたり、中華炒めの具材にタケノコが紛れ込んでいないか確かめたりと、これまでの人生になかった事態に戸惑いはあったものの「自分の身体のためだから」と前向きに取り組んでいます。
取り組みの期間は個々により異なりますが、IgGの値は食事制限や腸内環境の改善により減少させることが期待できるという話でした。A氏は乳製品を含む食品を気兼ねなく口にでき、それでいて健康も保てる日を夢見ています。
【まとめ】
検査名:遅発型フードアレルギー検査
検査方法:採血
費用:¥40,000(税抜) ※初診料他のぞく/コンサル料含む
結果までの期間:約4週間後
「三番町ごきげんクリニック」
〒102-0075 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急アパートメント1101
03-3237-0072
診療時間:【平日】10:00-18:00(最終予約時間 16:30)、【第2・第4木曜日】10:00-21:00(最終予約時間 19:30)
休診日:土・日・祝日
https://kenko.org/
※完全予約制
※自由診療のクリニックのため、健康保険の利用は不可
取材・文/横山博之 撮影/松本健太郎
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