俳優・角野卓造が惚れた岡山&倉敷”街の味、人の味”Vol.2「手打そば 千喜知庵」
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MonoMaster9月号の特集「夏こそ食旅」では、俳優の角野卓造さんがプライベートで通う岡山グルメをご紹介。モノマスターWEB版でも全6回にわたって、角野さんが訪ねた名店を紹介いたします!
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「手打そば千喜知庵の一杯セット」
岡山での昼。角野さんは、蕎麦屋にいる。注文はいつも“一杯セット”。酒肴3種と蕎麦、好きな酒一杯のセットが昼飲みには丁度いい。角野さんが足繁く通う「手打そば 千喜知庵」は、岡山では一番古い蕎麦屋だ。タウン誌で出会ったというモダンな蕎麦屋は、ホンモノ志向の現三代目が打つ香り高い蕎麦を味わえる。昼の贅沢なひと時を醸し出す「手打そば 千喜知庵」の魅力とは?
旅先でいい酒場を見つけたいとき、ワンクリックの出合いではあまりにドラマ性がなくてつまらない。角野さんの必勝法はとにかく街を歩くことだが、地元の書店も出合いの仲介人となる。地の情報は地の雑誌が一番頼りになるだろうと、タウン誌を購入するのである。日本中を旅した舞台役者、どうりで全国の酒場とローカル雑誌のことをよくご存じなわけで・・・・・・。手打そば 千喜知庵もそうやって出合い、贔屓の店となった蕎麦は昼の気分。
「お蕎麦は“一番軽い和食”だと思ってます。それに、お蕎麦の中に入っているものはすべてつまみになる。こちらには“黄にらとじそば”とかモダンな蕎麦が結構あって面白いんだけど、僕は昼飲みに最高なセットをいつも頼みます。それじゃあご主人、“一杯セット”をぬる燗のお酒で、今日はもり蕎麦をお願いしましょう」
昼間に逢瀬を重ねる一杯セットとは、好きな酒とおまかせの酒肴が3品、しなやかな麺肌の蕎麦が付いた、蕎麦屋的アプローチのチョイ飲みセットだ。おまかせで選んでもらった日本酒は、岡山のご当地米・朝日米で造られた児島の『三冠』。まずは地の酒をクイッと、口の中を清めたら、後は優雅な白昼夢を愉しむのみである。
"昼の逢瀬はモダンな蕎麦屋で、大人のチョイ飲みをしよう"
「僕は口開けの11時半から小一時間ほどこの一杯セットでやって、またすぐホテルに帰っちゃう。軽くだけ飲んで昼寝するのが幸せな昼の過ごし方だなぁ。それで、17時頃にまた街に出陣するんです(笑)」
手打そば 千喜知庵は昭和27年創業、うどん県の岡山では一番古い蕎麦屋になる。昔は出前もし、蕎麦は機械打ちだったが、ホンモノ志向な現三代目・渡邉潤平さんは手打ちを習得。4年前には店をリニューアルし、寛いで食事が楽しめる空間になった。今年からは夜営業を、予約制の蕎麦懐石一本に切り替えた勝負師なお人だ。
「ご主人が打つ蕎麦は、すっごく丁寧に打っているんだなぁとわかる。優しさが出ているんです。作り手の人柄って、なんでも反映されますでしょう?」
人ありきの香り高い蕎麦を味わいながら、酒を啜る。昼に見る夢は格別だ。
〈問い合わせ〉
手打そば 千喜知庵(てうちそば せんきちあん)
住所:岡山県岡山市北区中山下1-7-7
Tel:086-223-1216
営業時間:11:30~17:00(蕎麦売り切れ次第)、18:00~最終入店19:30
(夜は要予約の蕎麦懐石のみ)、月曜休み
文/廣田彩香 撮影/本野克佳
※料理の価格は2019年7月25日現在のものです。
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