市街地からツーリングまで、スポーティで快適な走りを、しかも多用途に楽しめるモデルとして開発されたツアラー「TRACER9 GT ABS」の2023年モデルが新発売となる。この手のツアラーはシート高が高めに設定されていて、足つき性が悪いというのが定石。しかし「TRACER9 GT ABS」はライディングポジションを好みに合わせて調整可能。メインシートは低い位置で820mm、高い位置では835mmと2段階に調整可能となっていて、足つき性の懸念が払拭。購入に後ろ向きだったライダーも足裏が地面につきやすくなったことで、手が届きやすいモデルとなっているのだ。
痒いところに手が届くスポーツツアラー
メインシートの高さだけでなく、フットレストとハンドルバーのポジションもそれぞれ2つ選択できる「TRACER9 GT ABS」はライダーの痒いところに手が届くスポーツツアラーでもある。というのも、真夏は別として、秋口から冬、さらには春先までグローブを装着してもロングツーリングでは指先に寒さを覚えがち。
しかし「TRACER9 GT ABS」はグリップウォーマーが標準装備となっている。季節に対応した細かなセッティングが可能で、操作しやすいホイールスイッチで10段階に温度調整できるのだ。さらにオプション装備となるが、ヒップからヒーターの暖かさを伝えるコンフォートヒートシートの設定があり、グリップウォーマー同様ホイールスイッチで温度管理できるのだ。
秀逸な制御システム
水冷DOHC直列3気筒4バルブ・ダウンドラフト吸気フューエルインジェクション搭載エンジンの「TRACER9 GT ABS」は総排気量888ccで、最高出力88kW。8が並ぶ末広がりでなんとも縁起のいいバイク。ツーリングは自分だけが気をつけていれば大丈夫というわけでもなく、貰い事故というのもあるので担げる縁起はなんでもウェルカムだ。
気を張りがちなロングツーリングでは「TRACER9 GT ABS」に備わるさまざまな制御システムがライダーの負担を軽減してくれる。たとえば「バンク角も反映したトラクションコントロールシステム」「旋回性能をサポートするスライドコントロールシステム」「前輪の浮き上がり傾向時にライダーを支援するリフトコントロールシステム」を制御してくれる「ECU」や車両挙動のきめ細かな制御を支える「IMU」。走行中に減衰レベルを自動調整するKYB製電子制御サスペンションなど。この秀逸な制御システムによりライダーは快適にツーリングを楽しめるのだ。
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この記事を書いた人
パーツデザイナー坂東 漠
スタンドがないと倒れる。ライダーの支えがないと自立できない。ライダーがいてもときにコケるといった2輪車の特性に魅了され、自転車、e-Bike、モーターサイクルの部品を開発。多くの人は気づかないが、それがないと成り立たないといったパーツを手がけている。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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