銘柄によって異なる、たばこの香りや味わい。その特徴は千差万別で、それぞれが個性豊かに表現されています。では、その決め手となるのは? 答えはもちろん、主原料となる葉たばこです。身近にあるのに案外知らない、葉たばこの奥深き世界を探り、ひとつの銘柄が完成するまでをご紹介します。
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たばこは植物。あの野菜の仲間!?
紙巻きたばこも加熱式たばこも、欠かせない主役はたばこの葉っぱ。乾燥して刻まれ、製品化した葉たばこは毎日手にしていますが、加工される前の“植物としてのたばこ”、葉たばこを見たことがありますか?
そもそも葉たばこは、ナス科の植物。ナスやトマトやじゃがいもと同じ科目に属しているんです。
南米を原産に世界100カ国以上で栽培されていて、日本では江戸時代から耕作されています。
現在主流となっているのは「ニコチアナ・タバカム」という栽培種。「黄色種」「バーレー種」「オリエント種」などに細分化され、それぞれ味や香りに個性があるというワケです。
「黄色種」は、主に温帯地域で栽培されていて、生産量は世界最多。肉厚な葉はその名のとおり鮮明な黄色で糖含量が高く、甘みを含む豊かな香りが特徴です。
「バーレー種」は、「黄色種」よりやや涼しい地域で育てられている品種。背丈が高く、葉は大きく育ちます。葉は薄い褐色。煙量が多く、キック感は強め。チョコレートのような香りが漂います。
「オリエント種」は、地中海気候の地域で栽培。ほかと比べて背丈は低く、葉も小さいです。「黄色種」や「バーレー種」の味と香りを調和する役割を担います。
現在日本では、32の県で葉たばこを栽培。主に、西日本では「黄色種」、東日本では「バーレー種」が生産されています。
葉たばこの未来のための研究開発
JTが栃木県小山市に構える「葉たばこ研究所」では、新しい品種の開発、栽培の研究、効果的な乾燥方法の構築など、葉たばこの研究開発が行われています。成分分析や喫味評価を通じて、ターゲットとする味と香りを有する葉たばこができたか評価され、既存のたばこ製品のアップデートや、新たなたばこ製品が開発されているのです。
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この記事を書いた人
エディター・ライターコマツショウゴ
フリーランスのエディター・ライターとして、雑誌やウェブメディアの企画を手掛ける。ファッション、カルチャー、アウトドアのジャンルを中心に、幅広く活動中。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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