アバルト500シリーズのラインナップに、「695 ツーリズモ(Turismo)」と「695 コンペティツィオーネ(Competizione)」が追加された。「アバルト695」はアバルト500シリーズのハイパフォーマンスモデルで、アバルト595よりもさらにハイパワーなモデルとして位置づけられる。「アバルト695」の設定は2022年5月の695エッセエッセ以来となる。ベースのフィアット500はすでに新型となる電気自動車「フィアット500e」に進化、欧州では電気自動車となった「アバルト500e」も公開されており、ファンの間では早くも新しい「アバルト695」に大きな注目が集まっている。
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595シリーズよりもさらにスポーツ性能をアップ
アバルト500シリーズは、コンパクトハッチバックのフィアット 500をベースにアバルトが手がけた、いわゆる「ホットハッチ」。1960年代、排気量をアップしたハイパフォーマンスモデル「595/695」が登場して絶大な人気を誇ったことから、排気量アップを行わない今でもハイパフォーマンスモデルとして「595/695」の名称が使われる。
今回設定された「695ツーリズモ」と「695コンペティツィオーネ」は、従来の「595ツーリズモ」と「595コンペティツィオーネ」にかわるモデルで、さらにスポーツ性を高めたモデルとなっている。
エンジンは1.4Lの直4 DOHC インタークーラー付きターボを搭載。その最高出力と最大トルクはF595の165PS/210Nmから180PS/230Nmに引き上げられている。トランスミッションはATモード付き5速シーケンシャルトランスミッションが基本だが、コンペティツィオーネは5速MTも選べる。
バランスのとれたサスペンションで扱いやすい乗り心地を確保しながら、ブレンボ製のブレーキキャリパーやKONI製のダンパーを標準装備し、スポーツドライビングのハードなブレーキングにも耐えうる優れた放熱性と制動力を発揮。ロングツーリングでの快適性とワインディングロードでの俊敏性を高次元で実現している。
ヘッドレスト一体型シートなどでスポーティな空間を演出
エクステリアは、インタークーラー冷却用エアインテークを備えたリップスポイラー(ツーリズモはガンメタリック仕上げ、コンペティツィオーネはカーボン仕上げ)、ディフューザー一体型リアバンパー、リアルーフスポイラーなどでドレスアップ。
ボディカラーはホワイト、グレー、ブラックのほか、コンペティツィオーネには専用色としてロッソ パッショネ(赤)も設定している。
インテリアでは、ヘッドレスト一体型スポーツシート(コンペティツィオーネはサベルト製のカーボンシートバックシェルを採用)、アルカンターラを施したインストルメントパネル、Beats製のプレミアムサウンドシステムを全グレードに標準装備する。
695コンペティツィオーネには「5速MT」も設定
「アバルト695ツーリズモ/695コンペティツィオーネ」は、長年にわたるノウハウを活かして開発された、スポーツ性と快適性のバランスに優れたホットハッチ。ベースモデルのフィアット500が電気自動車に移行しようとしている中、アバルトも次期モデル「アバルト500e」の開発を進めており、電気自動車かガソリン車かという議論はともかく、「アバルト695ツーリズモ/695コンペティツィオーネ」は貴重な存在になりそうだ。
695ツーリズモにはカブリオレタイプの「695Cツーリズモ」、695コンペティツィオーネには「5速MT」も設定。
車両価格(税込)は、695 ツーリズモが457万円、695C ツーリズモが493万円、695 コンペティツィオーネは5速MTが480万円、5速AMTが500万円。駆動方式はいずれもFF。ハンドル位置は、コンペティツィオーネの5速MTのみ左で、他は右となっている。
「アバルト 695 コンペティツィオーネ」スペック
全長×全幅×全高:3,660×1,625×1,490mm
ホイールベース:2,300mm
車両重量:1,120kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ横置
総排気量:1,368cc
最高出力:132kW(180PS)/5,500rpm
最大トルク:230Nm(23.5kgf・m)/2,000rpm
SPORTスイッチ使用時最大トルク:250Nm(25.5kgf・m)/3,000rpm
トランスミッション:5速MT/5速AMT
駆動方式:FF
ハンドル位置:左(5速MT)/右(5速AMT)
メーカー希望小売価格:¥4,800,000(左ハンドル5速MT・税込)、¥5,000,000(右ハンドル5速AMT・税込)
文/近藤暁史 写真提供/ステランティス ジャパン
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ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
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