前回、あっという間に売り切れとなってしまったMonoMax別注企画に待望の第2弾が登場。今回もこだわりをふんだんに取り入れたアイテムに仕上がった。この別注企画に込めた想いを、アッソブのデザイナーである冨士松大智さんと、MonoMax編集長・柚木の対談形式でお届けする。
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――昨年末、MonoMaxの誌上企画『カバン オブ ザ イヤー2013』で鮮烈なデビューを果たしたアッソブのバッグが、MonoMax別注企画第2弾となりました!
柚木 『カバン オブ ザ イヤー2013』では、職人、バイヤー、プレス、スタイリストの方々など、カバンの目利き29名が審査員として採点してくれたわけですが、アッソブはとにかく評価が高くて、実際「プレミアムデイパック部門」と「クラッチバッグ部門」の2つのカテゴリーで最優秀賞を取りました。
冨士松 ブランドが立ち上がったのは2013年の8月くらい。『カバン オブ ザ イヤー2013』の時点では、まだ半年も経っていなかったんですよ。
柚木 「マスターピース」を築き上げた冨士松さんが、新たに挑戦するブランドということもあって業界内でも最初から注目度が高かったし、その期待に応えたかたちですね。
冨士松 いえいえ。審査員の皆さんには「現代的な機能とデザインのバランス」という、まさにアッソブがこだわっている点を評価していただけて素直に嬉しかったです。
――今回ベースとして選んだドビーリュックは、MonoMax2月号でも一度紹介していますよね。
冨士松 おかげさまで反響がすごくて、すぐに完売したんですよ。
柚木 ドビーリュックは機能性が本当に高くて、当時もスタッフの間で話題になっていました。たとえば、背負ったとき、左胸のちょうどいい位置にスマホを入れられる立体ポケットがあって、自然な体勢で音楽が聴けたり、右腰の部分にくるウエストベルトにもICカードや鍵を入れるために用意されたポケットがあったり。
冨士松 ありがとうございます。両サイドのオープンポケットや、サイドからアクセスできる個別のPC収納スペースなども含め、背負ったままの動作を意識しつつ設計したのが功を奏したのかもしれません。
柚木 とにかく機能面は私たちが口を挟む余地がないくらい完璧だったので(笑)、今回は本体のレイアウトはそのままにして、デザインに別注をかけさせてもらいました。
――で、出来上がったバッグがこちらです。冨士松さんの率直な感想を聞かせて下さい。
冨士松 アッソブが今季イチ押しするドビーリュックに、同じくイチ押しの素材「コーデュラ バリスティック®ファブリックナイロン」を掛け合わせただけに、非の打ちどころのない仕上がりになったと思います。
柚木 ボディに使ったアッソブオリジナルの生地は、本当に表情が豊かですよね。
冨士松 縦糸は1000デニール、横糸は840デニールと、規格の違う66ナイロン糸を使用しているので、背負ったとき、ボディ全体に堅すぎず柔らかすぎずの自然なたわみが出るんです。一見上品なんですが、たわみが演出する適度なカジュアル感がいいですね。
柚木 わかります。1680デニールクラスのバリスティックナイロン素材のバッグは、いっぱいありますけど、それをバックパックに持ってこようとすると見た目が堅くなりがち。でもこの素材だと、カブセ部分のところとかジョイントパーツ部分とかに自然なたわみが出て、その陰影が男らしい印象を作ってくれるんです。
――それ以外のディテール部分に関してはどうでしょうか?
冨士松 ホワイトファスナーとメタルのパーツが効いていて、より大人っぽくなりました。モノトーンで合わせているからすごく収まりもいい。
柚木 編集部のアイデアをベースに、冨士松さんが積み上げてきたセオリーもおすそわけしてもらったわけなんですが、やっぱりそこがいい方向に転がりました。こちらからの提案では、メタルパーツなどをもっと多くする予定だったんですが、そこは冨士松さんから「ポイントを絞ったほうがいい」というアドバイスをいただいたり。仕上がりを見ると、引き算って大事なんだなぁと思いました(笑)。すごくいいバランス。
冨士松 メタルパーツをジョイント部分にだけ厳選して配置したことで、高級感が出てエレガントな一品に昇華されましたよね。
――ブランド史上初の試みだった、ホワイトのブランドプレートはどうでしょう?
冨士松 これまではブラックベースにシルバーの文字という組み合わせだったので、ホワイトベースの真鍮プレートは、きちんとロゴが浮き出るか最後まで不安だったのですが、仕上がりを見て安心しました。
柚木 みんなが最後まで心配していた部分でした(笑)。でも、この別注アイテムのためにオリジナルプレートをイチから作ってもらえるなんて光栄です。職人さんにも感謝しています。
冨士松 いつもはすごく大きなロットで回しているところに、今回は100個限定でお願いしました。通常は100個という数では受注してくれないので、まさに現場の協力があって実現したスペシャルな製品です。
――「こんな人に使ってほしい!」というイメージはありますか?
柚木 男らしくも、清潔感のある休日コーデを意識している方、アクティブに働くビジネスマンの方におすすめです。2月号でオリジナルを紹介したときも、ジャケパンスタイルで提案したんですが、ONシーンではより馴染みがよくなった気がします。
冨士松 そうですね。機能性は本格アウトドアバックパック以上ですし、メタルパーツで品のある顔立ちになったので、エレガントさとスペックの両方を求める人にぜひ。
文/編集部 撮影/村本祥一 スタイリング/子孫一希 モデル/タカシ
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