ゆとりある走りと快適な操作感で旅を満喫できる一台
実際に車両を目の前にすると、確かに前型よりもひと回りほどスリム&コンパクトになり、威圧感も薄れた印象を受ける。BMWが目指したより多くの人が乗れるGSシリーズというものが見た目にも現れ、潜在的にGSシリーズに乗りたいけど大きすぎて自分には乗れないと諦める人が「これなら乗れそうかも!」と感じる人も多いかと思える。
実際にシートにまたがってみると、820mmという数値よりも足つき性が良く、両カカトがピッタリと着く(身長172cm・体重65kg)感じで、安心感も十分。ポジションもハンドル幅は広めだがキツイ感じではなく、自由度が高いので、“攻める”と“ゆったり”の両方の乗り方も楽しめそうだ。
エンジンをスタートさせると迫力のサウンドがライダーの気持ちを押し出し、“行くぞ!”という気分にさせてくれる。走り出しは前型よりも軽くなったとはいえ237kgの重量、しかしその重さも感じさせないほどにスムーズで、またスロットルの反応もよく、重厚なボディをグイグイと引っ張ってくれる感じが爽快、悠々とした走りはもちろんのことスマートなハンドリングと安定感のある身のこなしでオンロードスポーツのようなシャープな走りも楽しむことができる。こんな大柄なバイクをスムーズに乗れていることに「自分が上手くなった」という錯覚するような高揚感のある走りを体感させてくれる。
大柄なバイクの場合、やや苦手意識が高まるワインディングも快適にこなしてくれ、上り坂をものともしない力強さと安定感のあるブレーキングに「さすがGS!」と心の中で呟き、このバイクならば幅広いシチュエーションで安心かつ快適に使えそうだと感じた。
価格としてはお手軽とは言えないが、先進機能を満載し、所有感と同時に走りもしっかりと満たしてくれるまさにアドベンチャー界の王様的な一台。憧れを現実にすれば、その先には素晴らしいバイクライフが待っていることは間違いない!
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この記事を書いた人
ライター安室淳一
クルマ、バイク、自転車専門誌の編集を経てフリーランスに。現在は乗り物とそれに関連するギアやファッション、遊び方等を中心に、雑誌、WEB、カタログ、広告等で編集・執筆活動中。
Instagram:@freerider1226
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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