ロードキングスペシャルで行く週末の小旅行
こんにちは。MonoMaxバイク部のタカシです。これから不定期ではありますが、オートバイの試乗レポートをさせていただきます。第1回は、ハーレーダビッドソンのロードキングスペシャル! これは、ハーレーダビッドソンのツーリングシリーズに属する製品で現行発売されているロードキングからの派生モデルです。違いは、シート高が1cm低く、前後のホイールサイズとフロントのデザインが変わっています。ツーリングシリーズはアメリカの広大な地を故障なくロングランできるように 、また長時間のライディングでもライダーにダメージが少ないように作らています。デザインに関しては各パーツにボリュームがあり、全体的に肉付きのいいグラマラスボディーに仕上がっています 。シンプルなフロントにミニエイプハンドルと、クラシカルでありつつ飽きが来ない見た目は、見ているだけでも楽しいです。
「価格も含めてマジでお買い得」かつてない日本専用戦略SUV“スズキ 新型フロンクス”のデキがよすぎる!自動車ジャーナリストが徹底解説『小沢コージの遊べるクルマ』
この美しいバイクを駆動させるのは、ミルウォーキーエイト107エンジン。1745ccのパワーは伊達ではなく、見た目通りの重たいボディーを軽々ドライブさせます。加速性能に申し分は無くかなりのパワーがあります。
早速、一泊二日で都内から河口湖近くのログハウスへ出かけました。時期は6月中旬。ツーリングにはいい時期です。
都内を抜ける!
信号待ちからの発進に関して言えば、鈍臭さはまったくなく、2速で気持ちよく40キロ以上まで持っていけます。突っかかる感じもないので、渋滞している道が多い都内では3速を使う機会は余りありませんでした。信号待ちのエンジンからの発熱に関しては、発熱が少なくなった新エンジンのおかげか、他の大型バイク並みではないかと感じました。
高速運転に関して
エンジンパワーのおかげで高速や有料道路の制限速度内なら、4、5速で間に合ってしまう程でした。パワーを持て余している感じはありますが、その分安定した走行を楽しめ高速での追い抜きなどは無理なく安心して行えました。約2時間ほど走行しての感想は、柔らかいシートやライティングスタイルから、尻周りの疲労はほぼ感じず、フットボードのお陰で足首に疲れはありませんでした。ただウィンドシールドが無いぶん、風をもろに受けるので速度が上がる程に手に疲労を感じます。そんな時、有効に活用したいのがオートクルーズコントロール。走行中にスピードを落とさずとも右手を休ませることができますし、左腕が痒くなっても走行しながら右手で掻けます。左ウィンカー下にコントローラーがあり、ボタンを押し込めば機能が起動し、下にコントローラーを倒せばオートクルーズが開始されます。コントローラーを上下させる事によってスピードが調整できるのも面白かったです。ちなみに時速40キロ以上から機能を開始できます。解除する場合はコントローラーを押し込むか、ブレーキを作動させる、もしくはシフトチェンジにて解除されます。
山道での走行
綺麗な路面での走破性は当たり前に良好でしたがコーナーが幾重にも続く山道ではどうか。重量があるので上り坂の立ち上がりや、ホイールベースが長いぶん、下り坂はコンパクトに回れるのか気になるところでしたが、想像以上にスポーティーな走りができました。低重心なのでコーナーで軽く倒す分には怖くありませんし、コーナーで倒し込んで尻を滑らして行く感じがとても気持ち良く感じました。危険な走行はお勧めしませんが、やはりコーナーは楽しいです。トラクションをかけ立ち上がって行く時も、パワフルなエンジンのお陰で上り坂は意のまま操れますし、下り坂はエンジンブレーキを使いながら気持ち良く下れます。ヘアピンの様なコーナーでは、倒し込めば大きな見た目に似つかわしくない程コンパクトに回れます。ただ、あまり倒し込むとフットボードを擦ってしまうので、注意が必要です。
悪路や低速時ではどうか
悪路では非常に気を使いました。砂利道は低速で気を使いながら走行したものの、重量からか足を取られる感じがありましたし、振動で操縦が上手くできなくなり、いくら低重心で足着きのいいバイクとは言え、転ぶのではないかと恐怖心がよぎるほどでした。また段差越えの衝撃はかなりのもので、段差が見えるなり減速するかシートから尻を浮かせないと、かなり苦しい思いをしました。また撮影ポイントへ行く為にUターンをした時も、重量で坂道では危険を感じるし、平坦な場所を探すもあぜ道は恐怖があるし、切り返す度に体力を使うしで、普段はそういうことをしないとしても、緊急時は大変な思いをするかもしれません。
駐停車時も気を使う
やはりこれも372kgの重量が仇となりました。手押しは現実的ではないし、段差を人力で越えるにはかなりの労力を強いられます。キツかったのはバックしながらガレージを出ようとしたら、シャッター下の溝に軽くはまり、渾身の踏ん張りで乗り切る羽目になったことです。
総論
マイナス部分もありますが、プラス部分が光る一台だと感じました。デザイン面でいえばフロントがドレスアップされていないぶん、街を走っていても威圧感がないし、どちらかといえば都会向きなデザインであるのに、クラシカルでボリューム感があるボディーからか、緑の多い自然の中にも何故か馴染みます。不思議ですが、芝の上で撮影していた時に非常に所有欲が湧きました。どんな場面や風景にでも存在感が邪魔にならないバイクは、やはりカッコいいものです。またリアのパニーケースについてですが、収納容量が結構あり一泊二日の旅には十分すぎるぐらいでした。二人分も余裕だと思います。一人ならば、片側に着替えを入れた荷物、もう片側に雨具や帽子、サングラスを入れておき、必要な時に直ぐに取り出すと言った使い方です。荷物を背負ったり、バイクにくくり付ける必要がないのは、快適だし安心だと思いました。走破性に関しても普段舗装された道しか走らないのであれば文句はないと言っていいと思います。重量の部分は気が重く成る部分でもありますが、慣れがある程度解消してくれそうです。なので、このバイクをどんな状況下でも操れる男性なら尊敬に値するし、女性ならば神の如く崇められても良いかもしれません。ロードキングスペシャルでの週末の小旅行は実に楽しいものでした。
バニーケースの左右の総量用は70ℓ。バックパックも30ℓ程度ならスッポリ収まります。
デジタル表示のタコメーター。インフォメーションは左ハンドル上外側のボタンで変えられる。
シート高695mmなので、足つきは良好です。(身長185cm)
ROAD KING® SPECIAL ロードキングスペシャル
http://www.harley-davidson.com/ja_JP/Motorcycles/road-king-special.html
ビビッドブラック ¥3,087,400(税込)
モノトーン(チャコールデニム、オリーブゴールド) ¥3,133,900(税込)
ハードキャンディーカスタム(ホットロッドレッドフレーク)¥3,378,400(税込)
主要装備
○ミルウォーキーエイト107エンジン(排気量:1,745 cc)
○Showa®製デュアルベンディングバブル採用フロントフォーク
○フルアジャスタブル エマルジョンリアショック
○ABS
○Reflex™リンク連動Brembo®製ブレーキ
○セキュリティシステム
○電子制御スロットル
○オートクルーズコントロール
ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社
www.harley-davidson.co.jp
フリーコール 0800-080-8080 平日10:00~18:00
取材・文/Takashi
撮影/植野 淳