速攻レビュー!AirPods Proが買いである3つの理由
10月30日に発売を開始したAppleのAirPods Pro。「まったく新しいデザイン、アクティブノイズキャンセリングで没入感のあるサウンドを実現」とうたう新ガジェットを、さっそくチェック。「これは買い!」とおすすめしたくなる3つの理由が見えてきました。
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理由1)アクティブノイズキャンセリングがかなりの出来!
AirPods Pro最大の特長は、新開発のアクティブノイズキャンセリングを搭載したこと。逆位相の音波を重ねて周囲の騒音を抑制するノイズキャンセルはいまや主流ジャンルのひとつであり、いよいよAppleもこの舞台に参戦を果たしました。
アクティブノイズキャンセリングをオンにしてみると、雑音がスッーとカットされ、突然の静けさが……! これまで、いくつかのノイズキャンリング機能付きイヤホンを試したことがありますが、それらと比べてもかなりの高精度に感じました。
アクティブノイズキャンセリングをオンにしてみたら……
- 電車内での音楽再生時の音量は、いつも10中6レベルにしているところ3レベルでも十分だった。
- 音楽の細部の表現まで気づけた。
- シャカシャカと音漏れしておらず、白い目を向けられなかった。
- 外部音取り込みモード(後述)に切り替えるとかなりの環境音が耳に飛び込んでくるので、「そんなに騒がしく主張しなくても」と思ったが、イヤホンを外すと実際に騒がしかった(それだけアクティブノイズキャンセリングが効きまくっていた)。
人の声やアナウンスはそこそこ聞こえますが、クルマや電車の走行音はかなりカットされます。フラフラと危険な場所に立ち入らないようにすることだけは、ご注意を。
この高精度なアクティブノイズキャンセリングは、騒音を検知してノイズを打ち消す外向きマイクと、耳に入ったノイズを低減する内向きマイクの2つが実現させているとのこと。耳のカタチやイヤーチップの状態を毎秒200回という頻度でチェックすることで、最良の状態をリアルタイムで継続させています。
「ここまでやる!?」と驚いたのが、iOS側で実施できる「イヤーチップ装着状態テスト」です。
連携させたiPhoneなどから、イヤーチップが適切に装着されているかをテストすることができます。問題がなければグリーンでOKの表示。問題があればイエローで警告されます。その場合はイヤホンの差し込み方を変えたり、場合によってはイヤーチップのサイズを変更してみたりで対応を。
このテストをクリアすれば、アクティブノイズキャンセリングの効果が正しく働いていると客観的に判断できるので、安心できます。
なお、アクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードのオンオフは、ステム部の長押しか、
設定>Bluetoothから、リスト中右のインフォメーションアイコンをタップするか、
コントロールセンターの音量表示部長押し、またはApple Watchで設定できます。
放送されているアナウンスを聞いたり人の声を聞いたりするときには、「外部音取り込みモード」が有効です。これは外向きマイクが収集した環境音をスピーカーから流すもので、AirPods Proを装着した状態でも、外の音をよく拾えるようになります。
こうした機能自体は他のノイズキャンセリング機能付きイヤホンにもままありますが、AirPods Proは高速処理が可能なH1チップを搭載していることで集音→再生間の遅延(レイテンシー)を最小限に押さえており、ラグをまったく感じさせません。
筆者はAirPods Proを使ってみて、ほか製品で感じていた同モード利用時の不快感はこのレイテンシーにあったのかと気づかされました。意識しないレベルではありつつもごくわずかなラグがあり、なんとなくの気持ち悪さを感じてあまり使わなくなっていました。AirPods Proの「外部音取り込みモード」は相当に自然で、こうした不快感がありません。
理由2)伸び出るステムが短くなった!
デザインが大きくかわりました。これまでのAirPodsと比べると……
- ステム(軸部分)が1cm近く短くなった
- ステムに角度がつき、顔の形に沿うようになった
- イヤーチップがついた
といった変化があります。
特に大きいのがステムでしょう。前のワイヤードヘッドフォンのEarPodsからコードだけをなくしたようなデザインで
アクティブノイズキャンセリングを実現させたのは、耳にフィットする新たなデザインを新採用したからこそ。特にイヤーチップを採用したのが特徴で、さまざまな人の耳に合うようS/M/Lの3タイプが用意されています。
ちなみに代わりのイヤーチップは簡易ケースのような紙製梱包紙に収められているので、収納や持ち運びもしやすくなっています。チープなビニール袋で済ませないあたりにも、Appleらしさを感じます。
イヤーピースを取り外すときは上写真のように引っ張るのですが、「大丈夫!? やぶれない!?」という気持ちになるほどピッタリくっついています。この精密性も、優れたアクティブノイズキャンセリング性能に貢献しています。
なお、各種操作はステム部にある凹み(感圧センサー)をプッシュして行います。1プッシュで再生/一時停止、2プッシュで順方向にスキップ、3プッシュで逆方向にスキップ、長押しでアクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードの切り替えです(各種操作はカスタマイズも可能です)。
AirPodsのようにイヤホン本体へのタッチ操作にしなかったのは、耳栓型にした今作だと、タッチ音が耳の中に響くから。ステム部の凹みは物理的ボタンではありませんが、音によるフィードバックによって適切なクリック感があります。
ケースのデザインも変わりました。縦型だった
理由3)通気孔が内部をいい感じにキープしてくれる!
AirPods Proを使っていて感じたのは、長時間使っても耳に違和感を感じにくいこと。これは、通気孔を設けるという画期的な構造を採用したことにあるようです。
イヤホンタイプでノイズキャンセルを実現するには密閉状態であることが求められ、耳栓のように耳を防ぐのが通常です。しかしこれだと、使用しているうちに内部の気圧が変化し、鼓膜の不快感が生まれてしまいます。
そもそもAppleはワイヤードヘッドフォンのEarPodsを開発する際に膨大な人数の耳を3Dスキャンやシリコンの型取りをし、ベストなカタチを追求してきました。その後継であるAirPods Proではスキャンの人数を数千追加し、より理想に近づけています。
実際に装着してみると、いわゆる耳栓型でありながら圧迫感が少なく、かといってポロッと取れそうな不安感もない、絶妙なバランスでなりたっていることがわかります。
なお通気孔が設けられていますが、IPX4の耐水性をしっかり備えています。
思えば、Apple Watch Series 4以降に周辺のノイズを計測できる「ノイズApp」が登場したように、ここ最近のAppleのウエアラブル製品は耳へのいたわりを感じさせるものばかり。心遣いがうれしいですね。
あえて取り上げませんでしたが、肝心の音質はハイクオリティで、そこに不満は一切なし。「Pro」と名付けられただけある、品質確かな逸品でした。
AirPods Pro
¥27,800(税抜)
取材・文・撮影/横山博之
※AirPods ProはiOS 13.2以降、またWatchOS 6.
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