日本には美味いモノが溢れている。全国各地からお取り寄せができる今だからこそ、その土地で親しまれる名物を家で愉しみたい。今月は鳥取県の和牛ベーコンと赤ワインの素敵なマリアージュ。
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文/マッキー牧元
1955年生まれ、東京都出身。(株)味の手帖取締役編集顧問。国内外問わず年間600食ほど食べ歩き、グルメ情報を発信する“タベアルキスト”。近著の『超一流のサッポロ一番の作り方』(ぴあ刊)が発売中。
「和牛の猛々しい味わいを、赤ワインで膨らます幸せ」
茶色に焼きあがったベーコンから、しっとり肉汁がにじみ出て、輝いている。珍しい和牛のベーコンである。鳥取県産黒毛和牛の脂と肉の滋味をそのまま閉じ込めたベーコンは、噛めば牛脂の甘い香りが漂って、胃袋をわしづかみする。これは一口で虜となるではないか。肉質がしまっていて、歯に力を入れて、脂を噛みしめる食感にコーフンがある。燻製香もほどよく、後を引く。わさびをつけりゃ、猛々しさが緩和されてさらに箸を運ぶ速度が早くなる。
噛み締めていると、猛然と赤ワインが恋しくなるので、同じ土地から生まれた北条ワインを合わせてみよう。水はけの良い砂丘で育てられたブドウを使って醸造された美酒はタンニンが滑らか。凝縮した果実味のある赤ワインと牛肉の滋味が溶け合い、さらには燻製香が膨らんで、鼻息が荒くなる。
最後はベーコンをご飯にのせりゃ、脂の甘みを米の甘みが受け止めて、もう笑いが止まらない。
「あかまる牛肉店」和牛ベーコン
珍しい和牛ベーコンは、焼肉店で特上カルビとしても提供される三角バラを使用。バラ肉の中で最も柔らかく、綺麗に脂が差し込んだこの部位を丹念に燻製した希少なベーコンだ。上品な脂の甘みと赤身肉のうま味が味わえる。
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160g ¥7,020(税込み)
問い合わせ:あかまる牛肉店 TEL:0858-26-1129
【how to EAT】
ベーコンはブロックのまま、中火から焼き始め、火を弱めながら6面を焼き、少し焦げ目がついたら火から下ろす。ナイフで厚めにカットし、わさびをつけて食べると、風味が増す。ご飯にのせても楽しい。
「北条ワイン」砂丘
県中部の北条砂丘で、自家ブドウ園産カベルネ・ソーヴィニヨン種を使い、フレンチオークの樽で熟成。滑らかなタンニン、豊かな酸味、バランスのとれた穏やかな個性が魅力。樽の香りが心地よく適度な重さで飲みやすい。
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720ml ¥2,800(税込み)
問い合わせ:北条ワイン醸造所 TEL:0858-36-2015
撮影/木村武司(BASK)
MonoMaster4月号より転載(MonoMaster4月号のご購入はこちらから)
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