日本中、大型バイク化が進んでいる。これは免許制度によるものも大きいが、大排気量モデル=ハイスペックなだけでなく、大排気量モデル=ハイソサエティ(上流社会)だから価格が高いのもしかたないといった考えに落ち着く向きもある。
もちろん製造原価に余裕があれば、高級なパーツを盛り込めるのは当然。低価格帯を売りにする小排気量モデルは、どうしても製造原価に余裕がないので、それなりのパーツしか付属しないのは、いたしかたないことなのか……。ところがそんな定説を裏切るように高級感がハンパないのがカワサキ「Ninja ZX-25R」だ。
ややこしい免許制度
二輪車の免許制度には、ご存知の通りいくつかの区切りがある。16歳から取得でき、クルマの免許を取ると自動的に付与される総排気量が50cc以下の「原付免許」。総排気量が50ccを超え125cc以下、高速道路走行が不可な「小型限定」。総排気量が125ccを超え400cc以下、高速道路走行が可能な「普通二輪(中型免許)」。総排気量が400ccを超え、高速道路走行が可能な「大型二輪(限定解除)」。これに加え原付以外はAT限定も加わり全7種類の免許となる。
そして、ややこしくさせているのが道路運送車両法なる区分。この分け方にすると原付は50cc以下ではなく、総排気量125cc以下なのだ。正しい言い方をすると総排気量が50cc以下は「原付第一種」。総排気量が50ccを超え125cc以下は「原付第二種」。この原付の区分は排気量だけでなく「原付第一種」は2人乗り不可で、「原付第二種」は2人乗りOKという大きな隔たりがある。
ボーダーラインの頂点に立っているおいしいバイク
原付のように中型免許でも、道路運送車両法がややこしくさせている。125ccを超え250cc以下は「軽二輪」。250ccを超えると「小型二輪」。……これには絶句する。免許制度では中型や大型と謳っているのに、道路運送車両法となると小型扱い。「ホンマどうなってんの?」 ってな話だ。しかもこの区分には大きな罠が潜んでいる。250cc以下の「軽二輪」は車検が不要で、250ccを超える「小型二輪」になると車検が必要となる。
なにが言いたいのかというと「Ninja ZX-25R」は、2人乗りOK、高速道路走行もOK、車検は不要で維持費も少ないカテゴリに所属しているということ。要約すると、ボーダーラインの頂点に立っているおいしいバイクなのだ。
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この記事を書いた人
パーツデザイナー坂東 漠
スタンドがないと倒れる。ライダーの支えがないと自立できない。ライダーがいてもときにコケるといった2輪車の特性に魅了され、自転車、e-Bike、モーターサイクルの部品を開発。多くの人は気づかないが、それがないと成り立たないといったパーツを手がけている。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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