列車旅を快適にする「サンライズ」の車内空間
寝台は時代のニーズを反映させて全て個室で設定した。メインとなるのはB寝台1人用個室「シングル」で、7両編成に2階室・1階室・車端部の平屋室の3タイプ合計80室を設置している。「シングル」の平屋室をベースにエキストラベッドを上段に備えて2人でも利用できる「シングル・ツイン」は8室設定。このうち1室は車椅子での利用が可能となっている。
B寝台1人用個室「ソロ」は20室設定。上下2段構成となっていて「シングル」よりも居住空間が狭くなるが、その分リーズナブルな価格設定となっているので、人気は高い。B寝台2人用個室「サンライズツイン」はツインベッドを並べた個室で1階室のみ4室を設定。2人旅においては「シングル・ツイン」よりも快適な個室となっている。「サンライズツイン」の上にはA寝台1人用個室「シングルDX」を6室設けている。床部分が広く、独立した机・椅子と洗面台を備え、とても快適。また、「シングルDX」利用者専用のシャワー室を車端部に設置している。
「サンライズ」には普通車指定席料金で利用できる「ノビノビ座席」も28席設定されている。座席といっても実際はカーペット敷きとなっていて、横になって寝ることができるため、特に若者からの人気が高い。そのほか共用スペースとしてラウンジ、飲料水自動販売機、シャワールームも設置されているので、快適な列車旅を送ることができる。
東京〜岡山間は「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」を連結した14両編成で運転し、岡山駅では分割・併合を行っている。このシーンを見ようとホームには大勢の人が集まってくるのも風物詩となっている。「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」も運転を開始してから24年を経過した。2つの列車は、現在、日本で定期として運行される唯一の寝台列車だ。今後リニューアルされるのか、もしくは後継車が登場するのか気になるところである。
「サンライズ」の客室設備は個室が主体。A寝台1人用個室「シングルDX」はベッドのほか机や洗面台を備えており、居住性は抜群。2階なので眺望も優れている。
B寝台2人用個室「サンライズツイン」は1階となるが、ベッドを並べて配置していて、2人旅行にはうってつけ。
メインとなるB寝台1人用個室「シングル」は床や荷物スペースも十分確保。
B寝台1人用個室「ソロ」は床面積が最低限となるが、その分リーズナブルだ。
3、10号車にはラウンジを設置。グループの談話やシャワーの順番待ちに便利だ。
岡山駅での「サンライズ瀬戸・出雲」の分割併合時には大勢のギャラリーが集まる。
文/鉄道ジャーナリスト 松沼 猛 撮影/伊藤岳志、松沼 猛
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