2024年もたくさんの新作、話題作が誕生した腕時計業界。界隈を賑わせたカラーダイヤル、小径ケース、クワイエットラグジュアリーなど、キーワードを加味しながら、時計のスペシャリストたちが2024年を代表する1本を決定した。それが、今回ご紹介する「レイモンド ウェイル/ミレジム スモールセコンド」。識者たちが注目したポイントとは?総合部門大賞に輝いたその魅力に迫る。
CONTENTS
「ゴルフ上達の最新兵器!?」直射日光下でさらに見やすくなった!ガーミンのGPSウォッチがすごい!
総合大賞は世界中の時計愛好家が注目する独立系ブランドの「レイモンド ウェイル」
ウォッチディレクター 篠田哲生さん
時計の構造や分解、組み立て技術も習得する理論派。著書に『教養としての腕時計選び』など。
時計ジャーナリスト 川口哲郎さん
時計専門誌や男性向け趣味雑誌などで活躍。丹念な取材姿勢に時計ブランドからの信頼も厚い。
時計ジャーナリスト 大野高広さん
雑誌や書籍、広告の製作を行いながら、時計ジャーナリストとして専門誌や一般誌に執筆。
本誌編集長 奥家慎二
本誌では10年以上にわたり腕時計を担当。欧州の時計発表会に足しげく通っていた時計好き。
ライター 岡藤充泰さん
国内外の時計ブランドに精通するモノライター。宝飾時計よりもクラシックなデザインを好む。
スタイリスト 栃木雅広さん
コーディネートに合わせた時計選びに定評のある人気スタイリスト。実は時計にも博識。
──2024年に発売された腕時計の中から総合的に最も優れた時計と、各部門ごとの大賞を決定する本企画。まずは識者のみなさんに2024年の腕時計業界の動向、トレンドから聞いた。
篠田「2024年はクワイエットラグジュアリーが注目された1年でした。時計業界はもちろん、社会の経済事情は決して堅調ではないため、これ見よがしではないデザインや色が好まれましたね」
大野「スウォッチ グループやチューダーなど、シリコン脱進機を使って耐磁性を高めたモデルが増えたのは、磁力に囲まれて生活する現代人にとってうれしい傾向だと思います。目についたのはケース径40㎜以下、3針なら36~38㎜。小ぶりなサイズが人気ゾーンになりました」
川口「グリーンやアイスブルーなど、意外性のあるカラーを加えることで新鮮な魅力を強調するモデルが目立ちました。文字盤・フェイスの多様化、高度化もひとつのトレンドだったかなと思います」
──なるほど、今回大賞に選ばれたレイモンド ウェイルはまさに2024年を象徴する1本。これ見よがしでないシンプルなデザイン、小ぶりなケースにニュアンスカラーのダイヤル、手の届く価格帯も大きなポイントになりました。
大野「高騰が続く時計界にあって、この価格でも良品が作れることを実証した偉大な時計です!」
──2025年の注目モデルは?
篠田「ブランパン(290周年)、ブレゲ(250周年)、オーデマ ピゲ(150周年)など、ビッグメゾンが周年記念を迎えるので、動向を非常に楽しみにしています」
川口「一生モノ的な各社のフラッグシップが次第に高嶺の花となり、これらが繰り上がった後の領域を満たすブランド、モデルに注目しています。その点では、チューダーやノルケイン、ベル&ロスなど今後ますます人気を博していくのではないでしょうか」
この記事のタグ
この記事を書いた人
ライター岡藤充泰
ファッション、カバン、革小物、クルマ、家電などあらゆるジャンルに精通する、この道30年以上のベテランモノライター。プライベートではキャンプと車をこよなく愛する。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
モノマックスの記事をシェアする