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    2019/02/12 07:00

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    バックパック人気はブームを超え、現代社会の必須ツールとなりました。

    • スマホ操作のために両手を空いていたい
    • ビジネスウエアのカジュアル化/伝統にとらわれない新興市場の登場で、オンオフ問わずに市民権を獲得
    • 容量・デザイン・機能の多様化で各種ニーズに対応
    • 重いガジェット類を持ち運ぶのに、とにかく楽

    つまり見た目も機能も、あらゆる点で"使える"。人気を獲得してきた理由が、ここにあります。

    ただ唯一の問題は、背負い心地を調節しにくいこと。バックパックは身長の高低や体格の大小にかかわらず、ショルダーストラップの長さでしか調節できないのが通例です。ショルダーストラップの位置が肩に合わない、腰に違和感がある、といった不具合の解決は容易ではありません。

    ここ最近、そうした問題に応えようとするブランドが登場してきました。背負い心地に影響を与える部分のフルオーダーサービスにより、自分の体型にフィットしたバックパックを作ることができるのです。

     

    3Dスキャンで自分だけのフレームを成型できる!

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    まず伺ったのは、国内縫製によるメイド・イン・ジャパンにこだわるバッグブランド「SEAL」の直営店。破棄されたタイヤチューブを回収し、素材の特性を最大限活かしたバッグを開発するなど、これまでも独創的な製品を生み出してきました。

    そのSEALが昨年2018年の8月からスタートしたのが、3Dスキャンを活かした「ERGONOMIC 3D」サービスです。

    「4月にクラウドファンディング『MAKUAKE』で開発資金を公募したところ、ほんの数時間で目標金額の約4倍に達し、サービスをスタートできました。これまで400人近いお客様に製品をお届けしています」(モンドデザイン代表取締役・堀池洋平さん)

    さっそく試してみました。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    まずは、計測のために専用のベストを着用します。伸縮性の高い素材ですが、かなりキツめ。これは背中のラインをしっかりと出し、正しく測定するためです。

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    骨盤を立たせて座れるという専用のスツールに座り、いよいよ3Dスキャン。専用器具を使って、スタッフの方が測定していきます。その間、およそ1分。体が動かないようキープします。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    測定したデータを特別に見せてもらいました。画面上を指で動かすことができました。一部とはいえ、フィギュアのような自分の体を傍から見るのは新鮮です。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    ここからはSEALのエンジニアによる作業工程になります。測定データをもとに、ピッタリとフィットする3Dシェルをソフトウエア上で設計。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    3Dプリンターを駆使して、データ通りのシェルができあがります。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    完成は、およそ45日後。3Dシェルを背中に当ててもらうと、どこか一箇所にアタリを感じるというようことはなく、自然にフィットしているのを実感できました。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    この3Dシェルを、対応するバックパックにセットすれば準備OKです。

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    SEAL「ERGONOMIC 3D/バックパックL」¥19,000(税抜) W30×H48×15cm

    実際の背負い心地は、かなり快適でした。特に感心したのが腰元の安定感。3Dシェルが肋骨の下や腰上あたりの曲線に沿って密着するため、バッグの荷重が均一に分散され、体全体で支えることができました。長時間使っても、肩や腰などに痛さや疲労感が表れるようなこともありませんでした。

    現在、「ERGONOMIC 3D」サービスはビジネスからカジュアルまでの全3型に対応しており、好みやニーズに合わせて選べます。

    SEAL
    https://www.seal-brand.com/

     

    その背負い心地、テーラードジャケットレベルだった!

    シャツやジャケットには体型ごとのサイズ展開があるのに、バックパックにそれがないのはどうして? そんな疑問から、一人ひとりの体型に合わせたバックパックを提供しているのが、旅グッズを展開しているNEXTRAVELER TOOLSです。

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    購入希望者は都内にある店舗へ赴き、体のサイズを事細かに計測しなければいけません。特に重点をおいているのが、肩まわり。なで肩やいかり肩など、肩の形状や幅によって背負い心地は大きく変わるためです。担当者曰く「肩まわりのちょっとした調節如何によって、ショルダーストラップや背中のフィット感は格段に違ってきます」とのこと。

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    オススメされているのが、鍼灸や整体によって肩や姿勢を事前調整すること。なぜなら「正しくない状態」で測定し、それにフィットしたバックパックができてしまうと、いつまでも「正しい状態」に戻れず、疲れを起こす原因になりかねないからです。「正しい状態」でフィットするバックパックなら、矯正力こそないにしても、背負ったときに違和感を感じるようになれば「姿勢が歪んできたな」とわかります。

    ただ、この調整はあくまでオススメ。「正しくないかもしれない状態」に合わせてオーダーする人も半数近くいるそうなので、ご安心ください。

    かくいう筆者もその一人。施術せずにサービスを試したところ、だいぶ右肩が下がった姿勢だと判明しました。本来は鍼灸や整体に通うべきなのでしょうが、今回は現状でのオーダーを選択しました。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    製品は、測定後最大3カ月半程度を経て届きます。

    背負い心地の良さは、予想以上。肩まわりや背中、腰に隙間なくフィットし、荷重もうまく分散されていていました。柔らかめの背面パッドが採用されていることもありますが、背負うというか、テーラードジャケットを羽織るような感覚に近いかもしれません。とにかくスッと収まります。

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    肝となるのが、ショルダーストラップの取り付け具合です。ショルダーストラップの長さに加え、縫い付けの位置や角度まで体型ごとに微調整されています。ここが適切だから、ショルダーストラップが体の上で左右にねじれず、ピタッとフィットします。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    ショルダーストラップの後端も、位置・角度ともに調整されたもの。歪みなく収まっていました。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    このほか、ストラップを調節するテープの長さを選べます。筆者はここがブラブラするのは嫌なので、思い切って短めに設定しました。チェストストラップの長さもカスタムできます。

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    素材には超高分子量ポリエチレンファイバー(UHMW-PE)を全面使用しています。完成品で重量360gと、一般的なデイパックの半分ほどなのがすごいところ。軽さの部分でも、体への負担を減らしてくれます。防爆シートや防刃ベストにも使われているスーパー繊維なので、強度面に不安はありません。

    背負い心地を追求してたどり着いた!カバンの最注目サービス

    NEXTRAVELER TOOLS「BACKPACK 1.1 10L」¥38,000(税抜) ※送料別途全国一律¥1,000 W28×H40×D13cm

    今回は街歩き用としてコンパクトな10Lタイプをオーダーしましたが、より多目的に使える19Lモデルもあります。

    なお、このNEXTRAVELER TOOLSは、映像を中心に多彩な作品を生み出している高城剛氏が主催するブランドで、Webサイト「THIS IS NOT A STORE」のみで販売されています。このバックパックは2018年11月から一般販売していましたが、反響の多さから、現在ではメールマガジン「高城未来研究所『Future Report』」の会員のみオーダーを受け付けています。

    ◆これまでの記事:購入後1ヶ月!ネクストラベラー ツールスのバックパックが抜群に便利だった

     

    心地よさを追求するユーザーの心を捉えた!

    この他の一部メーカーでも、背負い心地に関わる部分をカスタムできるモデルを展開しています。モンベルの「スーパーウイッシュボーン™システム」では、ステーやヒップベルトの調整が可能。グレゴリーの「Custom Fit」では、背面パネル・ショルダーハーネス・ウエストベルトを複数タイプの中から自分にあったものを選べます。今回ご紹介した2ブランドがフルオーダーなら、こちらはパターンオーダーといったところでしょうか。なおモンベルもグレゴリーも、これらサービスの適応はアウトドア利用を前提とした一部上位モデルのみに留まります。

    SEALもNEXTRAVELER TOOLSも、日々使えるフルオーダーのバックパックという新基軸を打ち出し、トレンドセッターの関心を得ました。

    • 肩こりや疲労に悩まされている
    • 背負うと違和感や痛みがある
    • より心地よくリラックスして使いたい

    こうした視点から、さらなる付加価値を求めるユーザーからの支持を集めています。

    製作には一定の金銭的・時間的コストや測定という手間がかかるため、どのブランドでも採用できるサービスではありません。そこまでコストや手間をかけたくないというユーザーも少なくないと思われます。しかし、「自分にとっての心地よさの追求」はあらゆるトレンドに通じる昨今のキーワード。新サービスのひとつとして、じわじわと拡散していくのではないでしょうか。

     

    取材・文/横山博之 撮影/河野 豊

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