モノ・トレンド雑誌売上No.1「MonoMax」の編集長・奥家が、今一番気になるモノやトレンドを紹介する連載企画。今回は、“ラグスポ”感で大人気のG-SHOCK「2100」シリーズの新作として登場した「GA-2100RC-1AJF」の魅力を味わってみました!
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ストーリー性を感じさせる独特のカラーリングにやられた!
ここ数年、腕時計業界では「原点回帰」が主要なテーマでした。ひとつの発端は世界的な不景気。その状況下で着実にモノを売りたいブランド側と、懐の余裕がなくなってコスパを重視するようになったユーザー側の思惑が合致したことが大きな理由です。
でも、そんな事情は抜きにしても、「原点回帰」ってやっぱりいいんですよね。原点には、そのブランドの純粋な想いだったりアイデンティティが詰まっていると思うんです。流行にとらわれない、本質的な魅力というようなものが。経済状況が変わり、またバラエティ豊かなモデルが続々と登場するようになった今でも、「原点回帰」というワードを目にするとそわそわしてしまいます。
G-SHOCK「2100」も、そんな「原点回帰」ならではの魅力を秘めたシリーズです。初代モデルである「DW-5000C」のコンセプトを受け継いだデザインで、2019年に発売されてからMonoMax本誌でも、私個人でも、ずっとその動向に注目してきました。“ラグスポ”感漂う雰囲気とか、新技術を採用したからこそ実現したスリムケースとか、言いたいことは尽きません。
G-SHOCK「GA-2100RC-1AJF」¥15,950(税込)
前段が長くなりましたが、今回ご紹介するのは「2100」の新作として2023年4月に発売された「GA-2100RC-1AJF」です。ズバリ、このストーリー性を感じさせるカラーリングがたまらなく好きなんです……!
ベゼルもバンドも文字板も、すべてをマットなブラックで統一。そのうえで、機能名表示やフランジの一部にはサンドベージュカラーを彩色。さらに、立体的なインデックスやメタル素材が使われた針&インジケーターにはティールカラー(青緑)を合わせています。
「この色はどこかで見たような……?」
モノ好きの方なら、きっとそう感じたに違いありません。そう、実はこのカラーリング、金属の錆をイメージしているんです。酸素や水と化学反応を起こすことで金属の表面に発生する、錆。ティールカラーは、銅素材に発生する“緑青(ろくしょう)”のイメージですね。鎌倉の大仏さまや、神社の銅板ふき屋根でも見られるアレです。サンドベージュなんかも、まさに鉄や銅によく見られる赤錆や茶錆を彷彿とさせます。
つまり今作が表現しようとしているのは、経年変化(エイジング)。ファッションや革小物などのヴィンテージモノが大好物の身としては、めっちゃワクワクさせられます。
もちろん腕時計業界も、経年変化は見逃せない価値のひとつ。アンティーク品には現代モデルにはない魅力がありますし、最近は酸化による変色を前提にしたブロンズケースモデルも増えてきました。ただ、樹脂やカーボンを主な素材としたG-SHOCK「2100」において、本来錆とは無縁なものです(むしろ錆びてはまずい)。しかし今作は、(リアルな意味ではないものの)絶妙なカラーリングによって「G-SHOCK×経年変化」という夢のコラボを叶えてくれました。そりゃグッとくるわけです!
つい、「この色に染まるまでお前はどのような時を刻んできたんだ……?」なんて物語を想像してしまいそう。
結果ハイコントラストになっていて視認性がよく、時刻を確認しやすいというのも大きなメリットです。
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この記事を書いた人
編集長奥家慎二
2010年よりMonoMax編集部に所属し、2020年より現職。腕時計を中心に、ファッション、クルマ、アウトドア、家電、スポーツなどあらゆるジャンルを担当。モノの背景にあるストーリーや作り手のこだわりをこよなく愛する。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)には便利グッズ評論家として出演。『ZIP!』『午前0時の森』(ともに日本テレビ)にはモノのプロとして出演するなど、テレビ、雑誌、WEBなどメディアに多数出演中。
Instagram:@MonoMax_tkj
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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