レクサスのフラッグシップSUV「LX」に、新ハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」が登場して話題となっている。LXが代々培ってきた「世界中のあらゆる道での走行に耐えうる運動性能」「どんな場所でも生きて帰って来られる信頼性」と、電動化によるレクサスらしい上質な乗り心地をどう両立させているのか、早くも大きな注目を集めている。また同時にLXシリーズの一部改良も行われている。
ただし、最新型のLXは世界50カ国以上の地域で販売され、供給が追いつかない状況になっていることもあり、2024年末以降、順次各国各地域で発売開始となっているため、日本仕様の詳細や価格はまだ明らかになっていない。
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レクサスLXにふさわしいパラレルハイブリッドシステムを新開発
レクサスLXは、「世界中のどんな道でも楽に、上質に」をコンセプトとして、世界中のあらゆる道での走行に耐えうる運動性能と、レクサスらしい上質な乗り心地を両立させたフラッグシップSUV。
初代LXは1996年、ランドクルーザー80をベースに米国で登場。最新型はランドクルーザー300をベースに2022年に登場した4代目となる。日本では2015年の3代目マイナーチェンジ時に導入が開始されている。
今回登場した「LX700h」の注目ポイントはついにハイブリッドシステムが搭載されたこと。LXはレクサスのラインナップでは唯一、電動車(ハイブリッド車も)が設定されていなかった。今回、「LX700h」の導入にあたっては、LXが代々培ってきた「世界中のあらゆる道での走行に耐えうる運動性能」「どんな場所でも生きて帰って来られる信頼性」を電動化においても守り抜くことを第一とし、その上でモーターのトルクを活かしたレクサスらしい上質な乗り心地を追求し、愛車と共に過ごす豊かなライフスタイルを目指した。
その実現のために開発されたのが新しいハイブリッドシステム。V6 3.5Lツインターボエンジンと10速ATの間にクラッチを有する「モータージェネレーター」を搭載したパラレルハイブリッドで、大排気量ツインターボエンジンと応答性の良いモーターのトルク特性を組み合わせて、低速ではアクセル低開度からレスポンスの良いリニアな発進・加速を、アクセル踏み込み時や高速域ではV6ツインターボエンジンの豊かなトルクを活かした力強く伸びのある加速を実現している。
また、シチュエーションに応じて「エンジンのみ」「モーターのみ」への走行の切替をハイブリッド制御システムが最適にコントロール。トランスファーのローレンジでもモーター駆動は可能で、マルチテレインセレクトの各モードと組み合わせて、繊細なアクセル操作が要求される岩場やダート、深雪路などではモーターのみでの走行も可能としている。
「どんな場所でも生きて帰って来られる信頼性」への配慮にも抜かりはなく、オルタネータとスタータを標準装備し、万が一ハイブリッドシステムが停止した場合にもスタータでのエンジン始動が可能で、オルタネータで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することでエンジンのみでの退避走行も可能とする。エンジンのみで走行中もトランスファーのローレンジの使用やアクティブハイトコントロールによる車高調整、A-TRACの作動が可能となっている。
さらに、リアフロアに搭載したハイブリッドメインバッテリー本体を上下に分割した防水トレイでパッキングする防水構造を採用したことにより、深水路などでの水の侵入を防ぎ、エンジン車同等の渡河性能700mmを確保。モータージェネレーターの追加やリアフロアへのメインバッテリー搭載による重量増に対応して、クロスメンバーの追加などプラットフォームの改良も行われている。
なお、センターコンソール下に配置したACインバータ(防水構造付)により、1500Wまたは2400W(地域によって異なる)までの給電が可能で、様々なアクティビティや災害時の非常用電源としても活用できる。
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この記事を書いた人
ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
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