そもそもなぜ、セブン-イレブンがゴンチャとコラボ??
2024年にセブン-イレブンとゴンチャがコラボすることになったのは、大口さんの前任者がコラボ打診を行ったことがきっかけだったのだそう。ゴンチャ側としては他コンビニチェーンでも良かったかもしれないのに、なぜセブン-イレブンとのコラボを決意したのでしょうか?
「セブン-イレブンは多様なコラボレーション機会を頂いておりますが、多くのパートナー様から『セブン-イレブンは品質に対する理念を深く理解している』とご評価いただいております。有名ラーメン店とのカップ麺コラボレーションも多数手掛けていますが、どのブランドも、自らの看板を安易に掲げることを良しとはしません。そのなかで、『コラボを実施するなら間違いなくセブン-イレブンだ』とご信頼を寄せていただいていることを、大変光栄に思っています」(大口さん)
前任者の方がゴンチャとのコラボをしたいと思ったきっかけは、「コロナ禍でもなぜかゴンチャにはいつも行列が絶えない」ことに興味をもったからだそうですが、当時はタピオカブームの真っただ中。素人の発想だと、チルド飲料としてタピオカを入れたものを販売したくなってしまいますが、タピオカを入れなかったのはなぜでしょうか?
お茶の魅力を最大限に引き出した味わいを意識
「セブン-イレブンとしては日々変化するお客様のライフスタイルや嗜好に寄り添いながら、いま本当に求められてる価値をスピード感持ってお届けすることを大切に商品開発をしています。ゴンチャ様は、かつてのタピオカ飲料店のイメージから、『グローバルティーカフェチェーン』へと成長を遂げる過程にありました。そのため、本商品はお茶の可能性に着目し、その魅力を最大限に引き出すことを意図して開発いたしました」(大口さん)
また、タピオカ入りの飲料にする場合、ゴンチャの店舗で提供しているクオリティに合わせることが難しかったことも理由のひとつ。ゴンチャの店舗で提供しているものは、お店で毎日丁寧に仕込み、すぐに飲むことが想定されているのに対し、ペットボトル飲料は数か月間品質を維持する必要があるためです。
そして近年の若年層にお茶派が広がっており、ゴンチャ様の調査結果によると「お茶しよう!」と言われて、30~40代よりも10~20代の方がコーヒーではなくお茶を飲むことを想起する傾向があるようです。コーヒーチェーン各社もティー専門店を展開するなど、ティーカフェ市場は拡大しています。そこで中味開発及び製造はキリンビバレッジに担当いただくことに決定しました。
「ティーといえばキリンビバレッジ様、という確固たるイメージがあります。『午後の紅茶』は1986年の発売以来、約40年にわたり継続的に支持され続けており、この長期にわたる安定した実績こそが、信頼の証であると考えました」(大口さん)
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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